黄竜の里1
んー、季節がいいと気持ちいいなぁ
ヴェルデさんよりまだ広いルアンさんの背中は
最初ちょっと、怖かった
ヴェルデさんは、風の膜を厚く張ってくれてたらしく
私は、普通の風を浴びてた
ルアンさんは、一応張ってるけど・・・と
最初に断ってくれた通り、一応でしかなかった
私は、慌てて、髪の毛をまとめ上げた
そうしないと、ぐいっと後ろに引っ張られるから・・・
首が、ううん、むしろ頭が持って行かれるかと思った
優雅にばさりばさりと、動かしてるのに
ルアンさんが飛ぶ速度はかなり速そう
安全を期してふわふわと風に舞う、
ルアンさんのたてがみの中にいると風が防げるし、
ぬくいしということで、そこに座ってます
「ついたよ、姫・・・ひぃめ!」
ぐらぐらと揺れる地面
「困った子だねぇ」
ルアンさんの声が遠くで聞こえる
んー、何が困ったんだろう・・・
「知らないよぉ、私は」
そういうと、ぐらりと体が揺れる
んー・・・ん?
「あら、起きたのかぃ」
目の前には、ルアンさんの竜の顔
んー・・・寝てましたね・・・
今私寝てましたよね
「途中から意識ないです」
照れ笑いで、答えるとルアンさんは
知ってるよと言うように笑った
「あと、もうちょっとって所で寝るんだもんねぇ
寝るならもっと最初から寝れば良いものを」
そ、そうかもしれないけど寝るつもりはなかったんですよ~
それに、最初はちょっと怖かったし・・・
さぁと、と呟きながらルアンさんは、竜体から人型へ
いつ見ても不思議
あの巨体はどこにいっちゃうのかなぁ
そんな風にみてたら、どうしたんだぃと言われて
慌てて首を振る
きっと聞いたら答えてくれるだろうけど
力がどうの、属性がどうのとか、小難しい話になると私は踏んでる
そうかぃ?なんて不思議そうな顔しないで下さい
その手の話はこの前のでお腹一杯なんです!
「たんぽぽの所いくかぃ?」
はいっそれが今回の目的です!
「あの子は、変なところで寝てるからねぇ」
そう言って、ルアンさんは私を水晶のようなものの中に閉じ込めた
ええええ、何この密室
「大丈夫だよ、心配要らないからねぇ」
くぐもった音が耳に届くけど
いやいや、心配です、怖いですこれ
そのままルアンさんは、水の中にとぽーんと水晶を落とした
「ええええーーーーっ!!!」
私、信じてたのに、ルアンさんだけは、
絶対酷いことしないって
うわーーーん、竜は、豪快なのはしってるけど
こういうのは、やめて下さい
密室大脱出のスキルなんてないわよー
こんこんと、ガラスを叩くような音がするので
顔を上げると、ルアンさんらしき人
ちょっとぼやけて見えない
『怖いのかぃ?まったく困った子だねぇ』
頭の中に響く声にほっとするけど
怖いですよ、これは・・
水の中、密室、そして、透明
ある意味棺桶状態ですよ
酸欠で死にます!みたいな・・・
と、いってもいつまで経っても息苦しくはないし
ルアンさんは、すいすいと奥へと泳いでいく
私の入った水晶は、滑るようにルアンさんを追っていく
いっつあファンタジー
・・・・うん、さようなら常識
わー楽しいなぁ、あははは~
なんて現実逃避してたら、ぴたりと水晶が止まる
ゆらゆらとうごめく視界
え・・・温泉?
こぽりこぽりとわき出すように砂が吹き上げられてる
『ここにいるんだよ』
その1つに手をかざすと
砂がぽっかりと空間を開ける
「たんぽぽちゃん・・・」
丸くなって、眠るのは、
ふわふわの髪の毛のたんぽぽちゃん
閉じられた瞼、半開きの唇
それはまるで、人形のようで、ぞくりと背中に悪寒が走る
「ちゃんと・・・生きてますよね」
『一応ね』
そう、まったく生気がない
ルアンさんも、生きてるよ、と言わず
一応って言った
それは、たんぽぽちゃんが、危なかったということ
下手したら死んじゃってたのかな?
そんなに無理させちゃったのかな・・・
『ひぃめ、アンタのせいじゃないんだよ
こうやって眠るときは、休眠状態になるから
死んでるみたいに見えるだけさ』
・・・そ・・・そうなんだ、勘違いなのね
よかった・・・
そう思うとぶわりと涙が溢れた
居なくなっちゃやだ、一緒にいたい
みんなで居たい
たんぽぽちゃん一人だけ居ないだけなのに
みんな寂しかったんだよ
私も寂しくて、なんにも出来なかったんだよ
早く元気になって出ておいで
さわれないし、抱き締められないけど
せめて、せめてと思いながら
私は囁く
「大好きだよ、たんぽぽちゃん」
本日2本目ー、しかーーーーし、私は昨日すっかり忘れていた!何をって、プレゼント投稿ですよー、今回は10万なので1本だけですけど、また1時間後ぐらいに投稿しまーす、えーと、今日のご飯は暑いので、冷やし中華と、あげ餃子、ししゃもにちくわでした、今から、くるみ饅頭?たべます、おやつーおやつー♪