表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/335

竜の国を知ろう18

「しっかし、姫は、がんばるねぇ」

ルアンさんが、笑いを含んだ声で、ブロージュさんと

ヴェルデさん、そして、ロートリアスに乗って

各地に向かうみんなを見送っていたら

そう言われた


「そうですか?」

頑張るほどは、頑張ってないと思う

最近、ちょっと服を作るペースも落ちてるし

みんなと、だらだら・・・ううん

気鬱な感じで、過ごしてたもん


「この匂い姫からだろ」

くんくんと頭の上から匂いをかがれる


うーん、竜には解るのか・・・

「匂いってそんなにつく物なんですか?」

兼ねてからの疑問をぶつけてみる


「そうだねぇ、つくもんだねぇ」

考えながら、ルアンさんは答えてくれた


「竜には、固体独特の匂いがあるからねぇ

 すりつけて、相手に移すんだよ」

匂いだらけになっちゃわないのかな

デパート1階みたいな感じをイメージしてたら

ルアンさんが、面白そい事を思いついたなんて顔で私をみてる


ん?今回は、何を思いついたんですか

私、最近ちょっと学習しました

竜の人たちが、こういう顔をするときって

私にとってあんまり良いことが起こらないってこと

ロートリアスが、子竜ちゃんのライバルになった時とかも

そうだったし・・・

そんなことをもんもんと考えてたら

からりとした声で、ルアンさんが


「ちびたちもいないし、私のにおいでもつけちゃおうかねぇ」

なんて呟いた


えええ?と思ってたら手が伸びてきた

ぎゅむっとルアンさんに抱き締められる


あ、よかったそれだけですよね、ふぅ

昨日見たいにすり寄せられて

そのぼんきゅっぼんをさらに体感させられたら

慌てる前に、私凹んじゃいますよ・・・


とおもったら、むにっと弾力のあるものが

胸にあたり、すりっと擦り上げられる

そして、下半身をすりつけられた


うわーーーーんっ

むにっていったよ、そのあと、ばよーんって言いそうだったよ

恥ずかしいより、やっぱり・・・凹む


「何泣きそうになってんだぃ?」

くすくすと笑うルアンさんも

昨日の子竜ちゃんじゃないけど、満足げ

「私にも返しておくれよ」


両手を広げて頂戴のポーズ

こんな所だけ、みなさん覚えるのが早い

お辞儀とか、そういう仕草がない竜の人たちに

体現行動を教えたのは、何を隠そう私です!なんて

言うべきなのかしら


「はぁい・・・」

ちょっとしぶしぶすり寄ると

ルアンさんが、身じろぎしつつ受けてくれた


「はい、おしまいですっ」

ぼよーんが私の心を嘖みます


そう言って、ルアンさんを見ると

ルアンさんの瞳の光彩が、きゅっと縦に変わってた


「ほんっとに、可愛いねぇ」

いや、可愛いっておもってる口調じゃないです

むしろ、怖いです

えええっなんで、怒ってるの~


思わず尻込みした私を、ルアンさんは

ひょいって抱き上げ私のお腹当たりにぽすりと

顔をうずめた


「あんたは、ホントに可愛いねぇ」

さっきとは、うって変わって、静かな声で

ぽつりぽつりと呟くルアンさんのしみじみとした声が、

お腹に響いて、なんだか、ちょっとくすぐったい


それが、ちょっと哀しそうで、

いつもの癖で頭を撫でてあげる


「ほんとにいい子だよねぇ」

もう一度、呟くように言うと、すっと頭を起こした

瞳はもう戻ってる


「驚かしちゃったかい?」

そういわれて、驚いてないとは言えないけど

ルアンさん、きっとなんかあったんだ

旦那さんと喧嘩したとか?

こっちに来すぎだから、いい加減にしろ?とか

言われちゃったのかなぁ


「ちょっと・・・」

そう答えたあと、心配になって、ルアンさんに

大丈夫ですか?と尋ねてみた

聞いたのは良いけど、きっとルアンさん

私を心配させるようなことは言わないと思う

私からきゅっとルアンさんの頭を抱き締めて

せめて、心配してる人がいるんだよってことが

伝えられたらいいっと思って抱き締めてみた


「ありがとねぇ」

やわらかなルアンさんの声

ううん、ありがとうは私の方


「あんたは、ホントにいい子」

さわさわと撫でるルアンさんの優しい手


その優しさに、慰められてるのが

私の様な気になって、じわりと涙が浮かんでくる


「さて、行こうかねぇ

 だっこしてるのは好きだけど、いつまで経ってもつきゃしないからねぇ」

なんて、笑ってルアンさんが

私をぽすりと下ろしてくれた


私は、浮かんだ涙を見られないように、

しぱしぱと瞬きをして、見たけど

どこか視界がぐんにゃりとしてる


「はい、行きましょう~」

元気に声を出してみる

黄竜の里に、レッツゴーですよ!

ルアン姐との蜜月はじまった!とか、行ってる場合じゃないね!熱下がったよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ