竜の国を知ろう7
「はい、ここなら大丈夫だよ」
そう言って、すとんと、下ろしてくれた場所は
昨日の紫の木の場所
ふれると、温かくて、とくんとくんとした振動が
手の平に伝わってくる
「ね、結局、種、出来たの?」
私が、聞くと、くすくす笑って、出来たよとあやめちゃんが答える
んー、何で笑うんだろう
嬉しいから、な笑い方じゃないよね
「びっくりしないでね」
そう言った、あやめちゃんの言葉をかき消すように
ひゅんっひゅんと空気を切り裂き
そして、その勢いで落ちてくるもの
どっどっどどどどどとっ
そんな表現しか出来ないような、音の雨に包まれた
私は、知らず内に叫んで
その音がぴたりと、止まった時
遠くで、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっていう
自分の声が聞こえたぐらい
耳がおかしくなってた
「吃驚した?大丈夫???」
そう言って、あやめちゃんがきゅっと抱き締めてくれるけど
こんなことになるなら、先に説明してほしいな・・・
で、音の正体は何????
ごろごろと、いたる所に転がってるのは何?
もしかして、これ全部が種?
ええええ???種ってこんな風にできるの?!
「すごい量、それにどこまで飛んだかな」
そう言いながら、今度は嬉しそうに笑う
その笑い後に、くるるっというご機嫌な鳴き声が重なる
「種、出来たのは嬉しいね」
でも、前後が複雑です
この紫の木の周りにある
さらりとした砂、あと、お家の砂
これって全部、紫の木の果てなんだよね
そして、この種の降りっぷり
ちょっと、命の危険を感じたわよ
「みんな帰って来た、行こう?」
そう言って、ひょいっと抱き上げてくれた
今度は、姫さまだっこじゃない
片手抱っこ、すごいよね
こんな事されたの子どもの頃以来かも・・・
「ただいまー、それとお帰り
種、びっくりしたね」
そう言うと、べにあかちゃんが、笑って
「だから、危ないって言ったじゃん」
そう言って、きゅきゅっとおかしそうに鳴く
えー、最初に言ってたのってこういうことだったの
おかーさんには解りませんよ
「生まれてから一番すごかったよ
砂漠の方まで飛んだかな」
くるるっと鳴きながら、はくちゃんが説明してくれた
あれ・・・もしかして、はくちゃんたちの場所も白い砂一杯よね
紫の木の白い砂なのかな・・・
「バランス、少し戻った」
こくたんちゃんがそう説明してくれるけど、
これもちょっと解らないなぁ
ううう、もう深く考えるのやめようかなぁ
頭パンクしそう
えっと、紫の木の種が一杯できた
私に出来ること、育て~ってする事!それでよしっ
よーし、うん、スッキリ!
「そろそろ帰ろうよ~」
そう言ったのはたんぽぽちゃん
あれ、ちょっと具合悪いのかな
「たんぽぽは、土属性だからな
木に吸収され易いんだ」
んん?また難解なこと言い始めちゃう気ですか
「そ、そうなんだ
じゃぁ、もう帰ろっか」
そう言うと、みんなが一斉に頷いた
やっぱり、お家が一番だよね
じゃぁ、挨拶に行きたいな、というと
みんなで行こうって言ってくれた
うんうん、礼儀は大事ですよ~
「そろそろ、帰ろうと思います
また、根っこが出た頃に来ます」
そういうと、長は、ぶふぉーと長い息を吐き出して
さよならと、ありがとうを言ってくれた
見送りしてくれた、おじぃさんも
「紫の巣に住んで下さればいいものを・・・」
なんて、言われながらのお別れ
さすがに、たんぽぽちゃんもしんどそうだし
みんなで住めないから、無理だよね
でも、そんな優しい言葉を貰うと
第二の居場所、そんな気分になる
今回の種のお持ち帰りは5つ
また、育てたら、帰ってきます
なんて、言いたくなっちゃいますよ
ただいま~、3本あげられるかと思ったけど、さすがに無理だった・・・2本までか、え、小説の話ですよ、帰ってから彼女ぼくと、猫の続きをかいてたけど、さすがに、猫がかききらん、沢山の人が読んでくれたようで嬉しいかぎり、こちらの夢の18禁はここまでいかないとは思いますよ、はい




