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竜の国を知ろう6

つ、ついた

良かった、完走できたよっ


まさに、私の気分はその一言

帰りはゆっくり帰ろう、紫のお兄さん急いでたみたいだしね

うん、空気の読める日本人しちゃいますが

体力のない日本人、もう息も絶え絶えですよ


「おはようございます、姫さま」

にこにこ顔のおじぃさん

ううう、挨拶できない


「お、はよう・・ございます」

かろうじての挨拶、おやおやという顔されちゃったけど

あの距離を、あの速度では走れませんよ


「来たか」

降り注いでくるような長の声

あれ・・・おっきい

いつもよりおっきくないですか、長


見上げると、目があうと

長の目がすっと細められた

ん?挨拶かな、それとも、笑われたのかな


私は座り込んだままだし、まだ呼吸も整ってない

すーはーすーは・・・ごほっ

まだ、無理みたいです


「慌てなくていいし、座ってていいよ」

そう言って、あやめちゃんが、隣りに座ってくれた

やさしいなぁ、良いって言われても、他の人が立ってると

気になっちゃうもんね


「前の木、見ててね」


そういって、あやめちゃんも前を向いた

その途端、瞳に、火がともったように、色が濃くなった

他の竜もそう、前の木に向かって真剣な眼差し

何が、起こるんだろう


木は、緑の葉っぱ

ちょっと少ないのかな・・・

あれ、他の木が見えないってことは

今すっごく高い所にいるのかな・・・


いろんな部屋をぐるぐる通り抜けて

いつの間にかに、最上階に立ってました

って感じなのかしら


そんなことを考えて、木を見てると

長が、うるぅ~と長く歌うように鳴き始める

初めての鳴き声

びりびりと鼓膜が震えて

空気が振動してるのが解る


頭をもたげて、次の竜がまた鳴き

そして、また次の竜が鳴く


それぞれの高さと、それぞれの長さ

うわんうわんと、部屋の中で反響してるけど

綺麗なハーモニー


ただ、すごく大きい

昨日、お話した女の子竜がうるぅ~と一段と高い音で鳴くと

あやめちゃんが、すうっと息を吸って、

うるぅ~っと鳴いた


小さな体からでる、他の竜に負けないぐらいの音量

びりびりと、体が震えるほど空気が振動してる


うわんうわんと、鳴り響く空間の中

ハーモニーが、空へと開け上がっていく


あやめちゃんが歌いながら立ち上がって私の手を取る


え?私歌えないよ


『木にふれろ』

長の声かな

周りをみると、私に視線が集まってる

ええー、そんな緊張するよ


じゃぁ、触りますよ、はい、触ったらいいでしょっ

あやめちゃんが示す場所にそっと触る


あれ・・・温くない

ううん、むしろ冷たい

生えたばかり木が温いのは特別なの???


『願え』

頭に響く声

願うって何を???


『この木、もう寿命なんだ』

あやめちゃんの声が響く

その声は、悲しみに満ちてた

きっと、一番大きな木で、この木は、丁度真ん中にあって

この里の支えなのかも


「枯れちゃうの?」

そう聞くと

『枯れる前に、種が残ればいい

 しかし・・・』

そう言いよどんだ声は、紫竜の誰かの声


『この木、昔からの木

 ずっとずっと、紫竜や、木の属性のものを護ってくれた

 世界に戻る前に、種を作らないと、また力が失われる』

えっと、力が失われると、困るんだよね

また解らないなぁ、紫竜が、生まれるに必要な木がなくなるから

困るのは解る、それって木=力なの???


『普通、紫の木が枯れるとき、次世代の為に力を溜めた種を残す』


駄目、ついていけない

とりえず、木の種がほしくて、それは大事だったってことよね

私が持ち帰った木の種も貴重だった

だから、今回来たとき、おじぃさんが一喜一憂し

崩れたのではないならよろしいのですって言ったんだね


『願って、世界に残れるように

 そして、世界に戻れるように』


ん?また難しいこと言われた気がするよ

世界に残って戻れる???

歌うような話し方だから、きっと、昨日の子


『種、できろー、長いこと有り難うって思って』

的確な指示

うん、おかーさん、それなら解るし

出来そうよ


「長いこと、ありがとうね

 お疲れさま

 次の子にまかせよ?」

きゅっと抱き付いて、そっと囁く

とくんっとくんって脈を打つような音がかすかに聞こえた


頑張れ、そして、ありがとう

また生まれて来てね


そう思った瞬間、体を預けてた木が崩れた


「きゃぁっ」

前につんのめったかと思うと

ぎゅっと抱き締められた


「大丈夫?」

あやめちゃんが、肩の横から顔を出して聞く


あれ・・・木は???


さっきまで木のあった筈の場所には、青空と

穴、そして、大量の白い砂


「還った」

木が、どこに???


「他の木の下まで下がった方がいいよ」

そう言うと、ひょいっと抱き上げられた

うわぁ、お姫様抱っこ、きゃっなんて言ってる場合じゃ無かった


あやめちゃんのすぐ傍に

どすんっと大きな音を立てて何かがおちてきた


「来た来た」

そう言うのが早いか、あやめちゃんは走り出した


おかーさん、酔いやすいのだけ、覚えててくださいー

はーい、今日の文おしまーい、紫の木の最後のシーンでした、ちょっと哀しいけど、きっと、良い結果・・・です、まだ、ほのぼので居させてくださいーです・・・さて、先ほど続き!なんて行ってましたアレですが、18禁可能な方、24時までに1本たぶん、5話完結であげますヨ・・・18禁練習作品ですのでふふふふ、まだまだね!だとは思いますが、良かったらみてくださいね~、では、また明日!

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