久々の竜国20
はーい、少し前に帰ってきて、速攻PCの前です~
「あー、悪かったよ」
ぎゅっと抱き締められて、頭の上から
すっごくばつの悪そうな声
そんな声出すぐらいなら、最初からしないでよ
そう思っても、涙が、とまらない
泣き始めると、なかなか止まらない涙にいつも困る
「離せ」
後ろから、ぴりぴりとした気配とともに
たんぽぽちゃんの声?
たぶん、あってると思うけど、若干どすの聞いた声
そんな声、初めて聞く・・・
「離せっていってるんだけどな」
顔を上げてみると、言ったのはべにあかちゃん?
目が、真っ赤
そして、耳がまた変わってる
「ろ、ロートリアス、離して」
きっと緊急事態
そして、また私は他の人にさわっちゃったことになるのよね~
もう、嘗め地獄はいやぁぁぁぁ
「ふーん、一人前に」
ロートリアスのからかうような声
「お前、いらないはず、触るな」
ん?こくたんちゃん日本語になってないよ・・・
「はっ、要るかどうかは、オレが決める」
そう言って、私を抱き締める腕に力を込めた
ぎゅっと、締められて、ふっと息が詰まる
痛いよー
なんの拷問なの・・・これ
「今、助ける、ごめん」
るりちゃんの哀しそうな声
そういえば、近所の子どもと喧嘩になったとき
弟たちが、こんな感じだった
家族が多いことをからかわれて、今と同じように
家族が多くて何が悪いのよ、そう言いながら、ちょっと恥ずかしくて
泣いちゃったら、黙ってた弟たちが、こんな風に庇ってくれた
でも、殺伐レベルとしては、こっちのほうが断然上
動物の喧嘩が、始まる前の
うぅぅぅとか、シャーっていう、間合いを計りながら
ぐるぐる回ってるシーンが頭の中に浮かぶ
いやいや、喧嘩してる場合じゃないです
っていうか、怖いよぅ
うわぁぁぁん、助けてくださいー
ルアンさーん、ヴェルデさんー
そっちに視線を向けると
あれ・・・面白そうな顔
いやいや、そんな、顔しないで、助けてください
「ルアンさぁん~」
呼んでみる
「甘い声で、呼ぶのはオレの名前にすれば?」
くすっと笑う、ロートリアス
甘い声なんて出してないし、なんでアンタの名前呼ばなきゃいけないのよ
「呼んだら離してくれるんだったら呼ぶけど」
「どうだろうな」
ひょいっと私を抱き上げて、体をひねった
しゅっと風を切る音
そして、腕
その元は、あやめちゃん?!
顔に、怒り心頭って書いてる
女顔で、綺麗でかわいいあやめちゃんが、
怒って、ロートリアスを殴ろうとした
「あんたらの大事なのに当たるぜ」
くすくすと、笑いながら、ロートリアスが、あやめちゃんの攻撃を避ける
私は、ぶんぶんと上下左右に振られる
うううううう、このパターンはまずい
酔う
「止めなさい」
ぴしっと、空間が凍る声
ぴたりと、二人の足が止まった
「ロートリアス、姫さまを下ろしてください」
ゆっくりと、歩いてくるブロージュさんを見ながら
ロートリアスは、私を地面に下ろしてくれて
後ろに下がった
「大丈夫ですか?姫さま」
ゆっくりと歩きながら、心配そうな顔で尋ねてくれる
でも、今、しゃべると吐きそう
そして、頷いても駄目
「ロートリアス、私と戦いますか?」
私の横を通り抜けて、ロートリアスの下がった方向に進み
手の届くか届かない距離で、ブロージュさんは止まって
ロートリアスにそう聞いた
顔面蒼白のロートリアス
ブロージュさんの顔は見えない
すーはーすーはーっよしっ深呼吸
とりあえず、止めよう
うん、なんか、怖いし
「だ、大丈夫です、ほら」
そう言って立ち上がる
ちょっと、胃が動いて気持ち悪かったけど、
振り返った、ブロージュさんが、肩をすくめ
竜語で呟いた
びくりとする、ロートリアス
「姫、大丈夫かぃ?」
ひょいっと抱き上げてくれたのはルアンさん
うわーん、止めて下さいよーーー
若干怖かったような気がしますよー
震えてる私をあやすようにぽんぽんと叩きながら
「ブロージュはねぇ、強いからね」
と呟く
うわぁーん、ブロージュさん最強説が確定しました~
ロートリアス、そして、ブロージュ、さてさて、ファンの反応は?