久々の竜国4
暫くはあやめちゃんのターンー
「す・・・すみません」
穴があったら、入りたい、そんな心境です
あやめちゃんが、ヴェルデさんから
飛び降りた瞬間からずっと悲鳴
あやめちゃんも、ごめんね・・・
「大丈夫?」
ううう、むしろ私の心配してくれるのね
「うん、びっくりしただけ・・・
叫んでごめんね」
そう言って、耳をさわさわと撫でる
「大丈夫、耳、変になってないから」
くるくると笑う、ああ、笑い声は変わってない
なんか、ちょっと嬉しいかも・・・
「して、急な訪問いかがなされた?」
のぞき込むように、首を下げてこちらをみる
「あっ、えーと、種、種ですよ」
慌てた結果が、この言葉
くすり、と笑って、あやめちゃんが説明してくれた
うう、恥ずかしい
「では、急ぎましょうぞ
しかし、数年で芽吹くとは・・・」
感慨深げな声だけど、私は特に何もしてない
くるりと、振り返り軽く鳴く
中から、低い声
長の声かな・・・
「さ、姫、お早く」
どすんどすんと地響きを立てながら、進む方向に
私たちも走る
木の太い幹は、意外と走りやすい
ただ、裸足なのが、ちょっと難点
でも、気持ちいいかも・・・
「危ないよ」
くいっと、腕を引っ張られる
前をみると、竜の鱗
・・・考え事しながら走っちゃ駄目よね
「久しいな、戻っておったのか」
「はい、今日、戻って来たばかりです」
ぺこりと、おじぎをして、挨拶を返す
「種が芽吹いたとのことですぞ」
弾むような声、そう老竜が言うと
周りから、声か上がる
「だしていいよ、でも、下には落とさないでね」
巾着袋のを開いて、中身を取り出す
とりあえず、1つでいいよね
ふわふわとした感覚が気持ちいい
なま暖かくて、子猫みたい
「とりあえず、1つ、どうぞ」
そう言って、とりだすと
再び周りがざわついた
「急げ」
見た途端、長が立ち上がりながら言う
「姫、こちらに」
急にバタバタした雰囲気にのまれる
あのーさっきから、私置いてけぼりですよ
手の中のふわふわした種は、
最初、黴が生えたぐらいだったのに
今では、指が隠れる・・・ううん、10㎝ぐらい伸びてる
「早く行かないと、怒られるよ」
あやめちゃん・・・
そういう、あやめちゃんものんびりしてるよ?
とりあえず、忠告に従い、長が、向かった方に進む
みんな、体格の差って理解してくれてるんだろうか・・・
みんながいる場所に辿り着く頃
私は息が上がってた
「大丈夫?」
あやめちゃんは、平気みたい・・・
そう言えば、あやめちゃんの方が背が高い・・・
そう、見とれてると
「こっちに早く来い」
・・・怒られちゃった
「はーい」
よじよじと、石の段差を登る
6人の竜が、円形になって集まってる
空にぽっかり空いた穴
そして、中央には、砂とこぽこぽとわき出る水
ここに、植えるのかな
「お待たせしました」
そう言って、長の前に行こうとすると
後ろからあやめちゃんに呼び止められた
「その水の中に、1つ放り込んで」
やっぱり、ここに植えるのか
その場所に近づこうとしたら
「お前ごと、行くぞ」
と、近くの竜が言う
はい?私ごと行く?
「姫、この当たりから、投げ入れて下さい
もし、外れたら、我ら竜がどうにかします故
近づかれるのは危のうございます」
そう言って、しっぽで、ここまでと示してくれる
その場所まで戻って
巾着にもどした、種を1つ掴む
「もう、根っこ出てたのね
遅くなってごめんね
さー、大きくそだつんだよ~」
そう言って、ぽーんっと放り投げる
綺麗な軌跡を描いて、種は、水にぽちょんと落ちた
うん、上手い自分
と言おうとしたら
ばしゃーーーっ
そんな風に、水が噴き出してきた
当然私はびちょぬれ
そして、目の前に、巨大な木
・・・えぇぇぇぇ?
これ、なんてファンタジー?
ジャックと豆の木みたいな感じ????
「危ないっていう理由は解ったな」
そう、言ったのは、たぶん
さっきの私ごと行くっていった人
「はい」
とりえず、返事
行くどころの騒ぎじゃないです
むしろ、逝きます
「さぁ、次の場所に参りましょうぞ」
うわぁ、楽しそう
そして、嬉しそう
でも、ちょっと疲れたんだけど
「大丈夫?」
あやめちゃんが、心配そうな顔でのぞき込む
「うーん、たぶん」
はっきり大丈夫とは言えない
「しかたない、嫌だけど・・・」
ちらり、と長をみる
いやいや、何考えてるんですか・・・
「ふんっ寛大だな」
いやいや、長、なんですか
その寛大ってのは
長がどすどす近づいてきて
あぐぅーと私は銜えられました
そうですよね、はい
こんな展開ですよね
はーい、今日のぶんは終了でございますー、いやはや、だんだん逆ハー&恋愛?要素が増えてきて某政治家のように政策だけ掲げただけ、じゃなくてようございました、では、続きはまた明日!あー、明日はー、日付変更線です、多分