会社の中が嵐です9
まともに帰ったのに、ご飯食べて横になってたら・・・ねてましたー
隣りでにやにやわらってる先輩と
はらはらしてる私の前に
二人は、跪いた
ちょっ、どういう状態ですか
立ってっ立って下さい
「「悪かった」」
その場で頭を下げる
あぁ、よかった土下座じゃなかった
って、ほっとする所はそうじゃないよね
とりあえず立って貰わないと
そう思って立ち上がろうとすると
「あんた、今立つと、絶対パンツ見えるわよ」
ぼそっと先輩
はっとしたように前を向く男二人
「きゃーっえっちーーーっ」
口からでた言葉とともに、二人の頭をがっと押さえ込む
「てっ」
「う゛っ」
二人からそんな言葉が漏れる
若干ぐきって音が聞こえた気もする
膝丈スカートの前に座る馬鹿がいるよ
うわぁーん、先輩ー
けたけた笑う先輩が、二人を立たせてくれる
目を見合わせて、私たちは吹き出した
「あんたら、お似合いよ、おっちょこちょいと猪突」
先輩は、くすくす笑ってる
「じゃ、あたしは、行くからごゆっくり~
昼、おごってちょーだいね!二人分」
そう言うと、先輩は、さっさと階段を下りていった
「首・・・大丈夫ですか?」
さすさすと撫でてる篠山さんにそう声を掛けると
苦笑された
結構痛いんだ・・・
「ま、言葉に甘えて、ゆっくりするか」
そういって、社長がベンチに腰掛ける
うーん、青空の下の社長って始めてみるかも・・・
なんか、違和感があるなぁ
男二人に適度な距離はあるけど挟まれてる
「ほんと、ごめんね」
篠山さんが、申し分けそうな顔をして謝る
「仕事場ですることじゃないって頭では解ってるのに
気持ちの方が引っ込まなかった
ほんと、助かった」
申し訳なさそうな顔で微笑むのは反則です
もう、ゆるしちゃいたくなります
「そうだよなぁ・・・」
空を見上げてぽつりと社長が呟く
「何熱くなってたんだろうなぁ~」
眩しいのか、目を細めてる
「柄にもなく、年もなく・・・だよな」
その呟きに、篠山さんが空を見上げながら返す
良かった、いつもの二人っぽい
「ありがとうね」
そう言って、ちらりと視線だけこっちに向ける社長
もしかして若干照れてる?
「良かったです、二人が元の鞘に収まって」
素直にそう思える
社長も、実際戻りたかったんだろう
ごまかして、つい、軽口叩いてたけど
謝るきっかけが無かったんだろうなぁと思う
困った人たちだ・・・
「抱き締めていい?」
そういうと、返事をする前に
社長にきゅっと抱き締められた
ふわりと香るタバコの匂い
「じゃ、僕も」
そう言って篠山さんも抱き付いてくる
こっちは、柑橘系の香水?
両側からサンドイッチ状態
いやいや、ちょっと待って下さい
いいともなんとも言ってませんよ
暴れるのもなんだと思って、暫くそのままで
図体のでかい子どもが二人
肩に乗せてる頭を社長がひょいっと起こした振動が伝わったのか
篠山さんも頭を起こした
「好きになってよかった」
「うん、叱ってくれてありがとう」
そういうと、きゅっと抱き締めて
ほっぺたにキスされた
ぎゃーーーっ前言撤回
大きな子どもじゃない、確信犯のセクハラオヤジでしたー
と、こんな感じで、弟なんてごめんだ、男だよ、と逆はーっぽくなってきたでしょうか~




