第47話:あの手とこの手
僕は思いつく限りの手段を試した。
ココナッツオイル療法も何度も試した。
何度試しても苦しくなって挫折してしまう。
その度に、勉強の効率が落ちてしまう。
乳酸菌やビフィズス菌サプリメント、あらゆる発酵食品を摂取してみた。
これもココナッツオイルと同様に、苦しくなってしまう。
長くは継続できなかった。
直接的にカンジダ菌を殺そうとするからいけないのかもしれない。
僕は「オリゴ糖」に目を付けた。
オリゴ糖は糖質の一種だ。
糖質っていうのは、具体的に言うとお米や砂糖のことだ。
糖質とか脂質とか蛋白質っていうのは、物質(栄養素)をグループ分けしたものだ。
難しく考える必要はない。
〇ケモンだって炎タイプとか水タイプとか岩タイプとかあるだろ?
それと同じだ。
大まかな構造から、栄養素を大きくグループ分けしているだけだ。
とりあえず、糖質っていう栄養素のグループがあると考えてくれればいい。
さて、オリゴ糖はお米や砂糖と同じ糖質の一種だ。
しかし、お米や砂糖などの通常の糖質とは全く異なる性質を持っている。
それは、「人間が消化吸収できない」ことだ。
お米や砂糖などの糖質は、口、胃、十二指腸で消化される。
そして、小腸で吸収される。
つまり、その後に腸内容物が大腸に到達する頃には、通常の糖質は吸収されてしまって存在しないことになる。
オリゴ糖は、この点が異なる。
オリゴ糖は、人間が持つ消化酵素で分解されない。
細かく分解できないため、小腸で吸収することができない。
したがって、オリゴ糖は人間によって吸収されない。
そのため、大腸に到達する腸内容物の中にオリゴ糖はそのままの状態で含まれるってことだ。
そうするとどうなると思う?
人間の小腸は無菌だが、大腸内には以前述べた通り、善玉菌や悪玉菌などの細菌や真菌が存在する。
オリゴ糖は彼らの餌になるってことだ。
人間の大腸内に存在する細菌や真菌は人間と異なり、オリゴ糖を消化するための特殊な消化酵素を持っている。
つまり、「腸内細菌はオリゴ糖を利用できる」ってことだ。
面白いだろう。
人間は「オリゴ糖」を食べたつもりになっているが、厳密に言えばそれを食べているのは腸内細菌だ。
オリゴ糖を体内に取り込み利用しているのは人間ではなく、腸内細菌ってことだ。
人間は腸内細菌に餌を配っているに過ぎない。
そして不思議なことに、この「オリゴ糖」ってやつは、悪玉菌よりも善玉菌が優先的に食べるらしい。
その理由については僕は得られていない。
今でもちょくちょく考えている謎だ。
そして、善玉菌は糖質を食べると乳酸や酢酸などの産生物質を放出する。
これにより、大腸粘膜上のpHが低下して、悪玉菌の増殖が抑えられるっていう寸法だ。
このようにして、「オリゴ糖」には「整腸作用(悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす作用)」があるとされている。
(つづく)
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