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第38話:内なる外

ここで、「腸管」にまつわる解剖学的な話をしたい。


医学的には、腸管の内腔(腸管の中の空間)の存在を、「身体の内なる外」と表現することがある。


簡単に言えば、腸管は「身体の中にあるが、身体の外でもある」といった意味だ。

頓智とんちみたいに聞こえるかもしれない。

順を追って詳しく話そう。


まず、「身体の内側と外側の境界線」を定義しよう。

身体の内側と外側の境界線を、「皮膚」であるとするなら、皮膚に縁取られた人間の体内に存在する腸管は、「身体の内側」と表現できる。

これはイメージしやすいだろう。


しかし、「身体の内側と外側の境界線」を「身体を傷つけることなく物理的に到達できる部位」と定義した場合、話は変わってくる。

ご存じのように、胃や大腸は、身体を傷つけることなく、内視鏡というカメラ付きのくだを用いれば、その内腔を観察することができる。


人間の身体は、ざっくり言えば、「ちくわ」みたいなものである。

ちくわの穴にきゅうりやチーズを差し込んで食べる人がいるらしいじゃないか。

僕はそのまま食べる方が好きだな。


まるでちくわの穴のように、人間の身体という物体の中に腸管という一本の洞窟のような穴が開いている。


ちくわの穴の中の空間スペースは、ちくわの内側と言うべきだろうか、それともちくわの外側と言うべきだろうか。

医学的にはこの腸管内腔の空間スペースを「内でもあり、外でもある」と解釈し、「内なる外」と小粋に表現したりするのだ。



つまり、腸管は「内なる外」と表現されるような特殊な空間スペースであるということだ。



(つづく)

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