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第33話:霊感を抱いて

僕は幽霊が見えなくなるのが怖かったんだ。



僕は特定の食材の摂取によって、ダイオフ症状を自覚していた。

それは、僕の体内にカンジダ菌が存在することを示唆しさしていると考えていたんだ。


もし抗うつ薬の服用によって、このダイオフ症状(憂鬱感、倦怠感、ブレインフォグ)が和らいでしまえば、僕はカンジダ菌が死滅しているかどうかを知る方法がなくなってしまう。

僕にとってダイオフ症状は、僕の体内にいるカンジダ菌の存在を「見る」手段でもあったんだ。


幽霊に例えたらわかりやすいかもしれない。

霊感がある人は幽霊を見たり、もしかしたら会話することもできるかもしれない。


幽霊(カンジダ菌によるうつ病)の存在を詳しく調べるためには、何よりもまず、この「霊感(ダイオフ症状)」を失ってはならない。

幽霊を追いかけることができなくなるからだ。


ダイオフ症状を自覚することができるからこそ、ダイオフ症状が発生する食材の種類、ダイオフ症状が生じるタイミング、ダイオフ症状の性状(性質)、ダイオフ症状の強さの変化などを調べることができる。

ダイオフ症状を自覚するからこそ、今、僕の病態が快方に向かっているのか、悪化しているのかについて考察することができる。


ダイオフ症状は僕にとって命綱だったんだ。


抗うつ薬によって、僕に残された唯一の命綱を失ってしまうことになってしまうのではないか。

それを恐れていたんだ。


これが、僕が抗うつ薬を飲みたくなかった理由の2つ目だ。



(つづく)

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