第29話: 衰弱
僕はそれから糖質を制限した食事を摂り、土曜日は水以外のものは口にしないという絶食療法を試みた。
当然のことだが、人間の身体は糖質を必要としている。
人間が食べた糖質はグルコースという物質に変わり、血流に乗って体内を巡り、あらゆる細胞のエネルギー源として利用される。
血液中のグルコースの量が低下した状態を「低血糖」と呼ぶ。
僕の身体はまさに、「低血糖状態」であった。
低血糖状態だからといって、ダイオフ症状が手加減などしてくれるはずもなく。
僕は週末の時間を、低血糖とダイオフ症状でふらふらになりながら耐えた。
読者の皆さんに誤解を与えないように、この辺りで結論を書いておこう。
もし、みなさんが僕の提唱する「水銀真菌症」の患者であるなら、インターネット上に存在するこれらの対処法を鵜呑みにしてはならない。
これらは全て、「間違っている」。
水銀真菌症による弊害を悪化させる方向に働く。
繰り返そう。
①カンジダ菌を除菌する作用のある食物(ココナッツオイル、ニンニク、発酵食品など)を摂取する。
②カンジダ菌を除菌するために摂取する糖質を制限する。
③カンジダ菌を除菌するために、絶食期間を設ける。
上記のような治療法が、大腸粘膜上のカンジダ菌への治療方法として、インターネット上に溢れている。
そして、10年前とは異なり、現在はこのような内容の一部が、権威ある医師の名のもとに書かれていることもあるようだ。
しかし、水銀真菌症患者にとって、それは「誤った治療方法」である。
(つづく)




