第12話:真菌∩常在菌
ここでカンジダ菌について、基本的なことだけ説明しておこう。
<カンジダ菌は真菌だ>
カンジダ菌は簡単に言うと、「小さな生き物」だ。
分類としては真菌と呼ばれている。
真菌という言葉にはあまり馴染みがないかもしれない。
でも、細菌って言葉はみんなも聞いたことがあるはずだ。
細菌と真菌の関係は、犬と猫の関係に例えるとイメージしやすいと思う。
両者ともにふわふわの毛を持っているけど、ワンと鳴いたり、ニャーと鳴いたりするだろ?
よく似ているけど犬と猫は違う種類の生き物として分類されている。
犬と猫を区別する基準も、きっと色んな観点があるけど、僕はよく知らない。
細菌と真菌は、どちらも小さな生き物で、時として人間に病気を引き起こす原因となったりする。
両者はよく似ているが、様々な点において違いがあるらしい。
具体的には、細胞の表面の構造であったり、細胞の中の構造だったり、その辺が違うらしい。
ここでは難しい説明は省くけど、細菌と真菌はよく似ているけど、異なる性質をたくさん持っている存在であると理解して欲しい。
<カンジダ菌は常在菌だ>
カンジダ菌は常在菌だ。
常在菌とは、「多くの人間がその体に保有していて、基本的に病気の原因とはならない菌(細菌や真菌)」のことを指す。
簡単に言えば、「人間の身体に同居している菌」だ。家族みたいなもんだ。
常在菌は、基本的に病気の原因にはならないし、なんなら宿主(その菌が感染している個体のこと)と共生関係を築いていたりすることもある。
つまり、何かしら人間側に利益をもたらしている場合もあるということだ。
でも「カンジダ菌が人間に何らかの利益をもたらしている」という話は一般的には聞かない。
現代の医学では単に、カンジダ菌は「大腸粘膜、膣」などに生息している常在菌であると理解されている。
<まとめ>
話をまとめると、以下のようになる。
・カンジダ菌は真菌だ。
・カンジダ菌は常在菌だ。
・カンジダ菌は膣粘膜上や大腸粘膜上に生息している菌だ。
<伝えたいこと>
ここで伝えたいことは、現代の医学では、「カンジダ菌という真菌は多くの人の大腸粘膜上に生息しているが、常在菌であり、病気の原因となる可能性は低い」と認識されているということだ。
(つづく)