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人物紹介&設定

ネタバレになりますので、嫌いな方は読み飛ばしてください。

【主人公】

羽間(はざま) 零司(れいじ)(15)……成績・運動・容姿とも平々凡々で、やたらと存在感のない私立鍵城(けんじょう)学園の一年生。小中高と一度も教師に指されたことがない。ちょっと目を離すといない者として扱われる。食事に行っても店員が注文を取りに来ないなど、その影の薄さから『影男(シャドウマン)』とあだ名される。

 一年発起して中学から片思いしていた相手に告白しようとするも、相手が放課後に呼び出しを受けたこと自体を忘れて、結果的にすっぽかされて失恋したことが人生の転機となった。

 チーム《斬奸(ざんかん)》と狗人(コボルト)との戦いの最中へ、あらゆる規制や監視網を潜り抜けて、たまたま迷い込んだことで(この時点で商売敵・スパイと見做され拘束される)、この世ならざる世界『幻象界ファントム・フェノメノン』の侵食と戦う幻象狩人(ファントム・ハンター)へと、なし崩しでスカウトされ巻き込まれる。

 無意識に人間及び生き物の意識の空白や死角へと潜り込み、認識を狂わせる体質である(虫や機械には効果がない)。恣意的な()()ではなく先天的な()()なので基本的にどうしようもない。

 喋っている間は比較的認識されやすいので、独り言を含めて口数が多い。そのあたり性格的なものもあるが、生きていくための処世術でもある。



【チーム《斬奸》】

 対幻象界ファントム・フェノメノンハンター組合(ギルド)北関東支部に所属するハンターチーム。現在は三人(たまに事件の内容によって臨時メンバーを入れることもあり)の正規メンバーで運用されている。北関東支部でも屈指の実力派チーム。


鷺宮(さぎのみや) 依緒(いお)(15)

 チーム《斬奸》の正規メンバー。普段はブルゾンにデニムのショートパンツ(レディース)。ワークキャップを目深にかぶっている。帽子を脱ぐと膝裏近くまである黒髪の美少女にしか見えない――が、性別は男のコ(男の娘ではないと本人は強弁している)。髪の毛の中に五十本に一本の割合で(つまり二千本強)、最大で百メートル近くある特殊な髪『刃髪(じんとう)』が混じっている。

『刃髪』は他の髪に比べて極細であるにも関わらず(ほぼ肉眼では見えない)、強靭で成長も早い(年間五~六メートルは伸びる)。指先ひとつで切るも縛るも自由自在で、五十本もあれば暴れる象をねじ伏せ、一本で人間程度は輪切りにできる。そのため不用意に髪を切ることができない。

 いわゆる羅刹女(ラークシャサ)の末裔だが、ここ百五十年ほどは血族から能力者が生まれなかったため、両儀機関の名簿から除外されていた。

 零司の監視を兼ねて鍵城学園へ女子生徒として編入してくる。


城ケ崎(じょうがさき) 丹紗(あかしゃ)(16)

 チーム《斬奸》の正規メンバー。自分で適当に切った短髪の赤髪をした一見元気系少女。だが、実のところは根っからのインドア派で、気の合った相手とは屈託なく話せるが、第三者がひとり入ってくると途端黙り込むタイプ。また運動神経はからっきしである(特に銃の腕は壊滅的で、味方を後ろから撃つ危険性があるので飛び道具は一切触らせられない)。

 生まれつき虚弱な体質であったが、幼少時にかつてアメリカ軍が密かに研究し、頓挫した強化兵器人間バイオニック・ソルジャー開発のノウハウを使って治療を施した結果、奇跡的に処置が適合した経緯がある(そのため身柄保全の意味もあってファントム・ハンターとなった)。

 結果ミオスタチン関連筋肉肥大のさらに上位版の特殊な肉体となり、筋肉と骨密度が常人の三倍。パワーだけで成人男性の十倍近くある(ついでに体重は成人男性の四倍)。基本的に徒手空拳であるが、大型獣などの強敵相手にはタングステンカーバイド製の超硬合金メリケンサックを使用する。

 ほとんど学校に行っていない半ヒキコモリのため、授業についていけない&アドリブができないので襤褸が出る可能性が大だとして零司の監視からは除外された。


姫島(ひめじま) シャーロット(20)

 チーム《斬奸》のリーダー。一見すると十二~十三歳の金髪碧眼をした可愛らしい外見の少女。依緒ほどではないが髪は長い。普段から黒のゴスロリ服を着ている。脳の八割を量子コンピュータに改造されているブレイン・サイボーグ(外見の成長が止まっているのはその影響と思われる)。そのため、常人ではちょっと目や意識を離すと失念する零司を常に捕捉することができる。

 その場にいてあらゆる電子機器を支配することができる《魔術師(ウイザード)》。そのため普段は現場には出ないで、後方にある指揮車でドローンや監視カメラからの索敵を行い、メンバーに無線で指示を飛ばす形になる。

 指揮車である愛車はハマーで、電子機器の充実の他、車体自体にも色々と改造を施しており(特に丹紗の体重を支えるため、戦車並みの強度を持たせている)、運転自体はシャーロットが電子制御で行っているが(そもそも免許を持っているのは彼女だけ)、見た目が子供にしか見えないために特製のアンドロイド『パーカー』を運転席に乗せて、同時にリモートで操作している。


 なお、零司とメンバーとの人間関係は、

・零司(◎)⇔依緒(×)

 ……零司(ものすごいタイプ。一目惚れした! 彼女になってください! 男のコ? 超余裕!!)。依緒(いちいち綺麗だとか可愛いとか口説くな。ボクは男だ! 鬱陶しい)。

・零司(〇)⇔丹紗(〇)

 ……零司(気さくで喋りやすい。気楽に付き合える女友達ってところ)。丹紗(存在感がないのがいいっスね。黙っていればプレッシャーも感じないので)。

・零司(△)⇔シャーロット(△)

 ……零司(合法ロリかぁ~、ちょっとストライクゾーンから外れているなあ。まあ、俺のことを常時認識できるから嬉しいけど)。シャーロット(悪人でもロリコンでもないのは重畳。とりあえず使えるレベルまで鍛えないと)。



【対幻象界ファントム・フェノメノンハンター組合(ギルド)北関東支部】

 防衛省の外郭機関にあたる。

 十分な敷地とセキュリティ対策のため、都心から離れた某所にある製薬会社……と名目上・登記上は記載されている(一応はダミーとして商業ベースでの薬品の製造販売も行っている)。


 対幻象界ファントム・フェノメノンハンター組合は、基本的に明治維新後にフリーの能力者を集めて作られた組織である。

 通称は『ハンターギルド』。

 似たような役割を果たす組織として、平安時代から続く(とされる)宮内庁直轄の『両儀機関(りょうぎきかん)』が存在するが(財界人や地方の有権者などの、いわゆる「上級国民」の求めに応じて活動するのを主としているので、下々の事件には積極的に関与しない)、血筋と伝統を鼻にかけて幻象狩人(ファントム・ハンター)を「雑種」「はぐれ者」「ゴミ拾い」と見下しているため、現場がかち合う場合にいざこざが絶えない。

 なお、北関東支部とはいえ、事件の内容や他支部からの要請に応じて日本各地へハンターを派遣するため(常に人手不足なためそうせざるを得ない)、実質的な活動場所は国内すべてと言っても過言ではない。


 支部長の菊川絢香(28)は一見すると目の細い柔和な女性だが、「北関東支部の女狐」「ボンクラを装った現代の女大石内蔵助」と、内外から良くも悪くも警戒されている人物である。

 なお、北関東支部に所属しているハンターは他からの出向組を含めて二百名ほどいるが、常時動員できるのは六十名程度が限界である。

 チーム《斬奸》のような特殊能力者で固められたメンバーはまれで、ほとんどが訓練された通常の人間か特殊能力者との混成であり、またチームに属さない単独のハンターも四割ほどいる。

 基本的にファントム・ハンターは暗号化されたネットに、指紋と光彩認証をしたうえで接続して仕事を受け、報告をして(獲物の捕獲やサンプルの提出などを伴う場合は、直接支部に行くか『回収屋』に回収してもらう)確認ののち報酬が振り込まれる。


 ちなみに、報酬は幻象界ファントム・フェノメノンの規模や対象に応じて、出来高払いで支払われる(最初に零司が遭遇した狗人(コボルト)事件の場合、諸経費を除いた手取りは八十万円で、これをシャーロット三十万、依緒二十五万、丹紗二十五万で分配した)。



幻象界ファントム・フェノメノン

 地球世界と隣接した平行世界(パラレルワールド)の一種と思われる。

 偶発的に、また魔導士などが組織的に世界同士を接触させることがあり、その際に異世界の法則とともに、この世ならざる怪物が地球世界に侵食してくる。

 そうした異形の存在は地球世界にとって異物であり、病原菌のようなものであるので速やかな排除が必要である(仮に異世界の法則がひとつでも、現世界の法則に置き換わった場合、人類は壊滅的な被害を被ることが確認されている)。そのため有史以来、神話や伝承の形で残っているように、鬼・悪魔・怪物……と呼ばれたそれらは常に排除されてきた。

 現在、その役目を担っているのが対幻象界ファントム・フェノメノンハンターである。

 なお、気を付けなければならないのは幻象界ファントム・フェノメノンの存在が広く認識されることで、そうなった場合、存在が確定され幻象界ファントム・フェノメノンと地球世界とが融合する危険がある。

 そのため幻象界ファントム・フェノメノンに関するものは秘密裏に、可及的速やかに排除しなければならない。

 幻象界ファントム・フェノメノンの侵食については、星辰の位置や磁場の変動などの観測機器からの情報のほか、卜占(ぼくせん)や予知能力などによってアタリをつけ(いまのところ機械よりも占いや予知のほうが的中率が高い)、都市部などの場合は、防衛省や警察庁の担当部署が規制を張って第三者が近づかないようにしてから、短時間のうちにハンターが対処する形となっている。

 現場に出てくる自衛官や警察官は、上層部を除いて詳細は知らされていない。そのため「胡散臭い連中」と、ハンターを忌み嫌っている者たちも多い。

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