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うちのメイドさん。

「ご主人様に拾っていただいた命、このウルトゥム、メイドとなることで恩を返せるなら喜んでお仕えいたします。どうぞ、何なりとご用命ください。」


 ボリア帝国との決戦の後、俺には恩賞が与えられた。


 1つはボリア帝国に征服されていた地球の土地がとり返されたのでその一部が領地に与えられた。

 場所は大和帝国の帝都の大和から北、山城の国から京都市内であったあたり、俺の持つ令和の知識で言えば京都府南部が領地になるらしい。

 そしてもう一つの恩賞が―――


「ご主人様が見ていますわ。」


 前髪をくりくりしながら俺に流し目を向けるのはウルトゥムだった。

 そう俺の前にはウルトゥムがメイド服で立っている。

 まだ質素な作りながらも真新しい屋敷の謁見の間、その上座に座るのは領主になった俺。

 その俺の前にメイドがかしづいている。

 リアルメイドである。

 戦争で戦ったウルトゥムがメイド姿でオレの前に居る。


 メイド。


 今の人生では使用人はいたが、(1人を除いて)メイドなんていなかった。

 そして1つ前の人生ではメイドなんてフィクションの中の存在だった。

 メイド喫茶とかに行けばお目に掛かれたのだろうがそこに行くこともなかった。

 つまり俺にとっては初めてのメイドなのである。

 初めてのリアルメイドである。


 日本人オタクの魂を持つオレにとっては、「メイド?好きか嫌いで言えば嫌いじゃない。実写?無いな。」とか言っていたのだが実際にリアルメイドを目にしたら、「なにこれマジカワイイ。」とか思っちゃうほどである。


 ましてそれが俺の大好きなガ〇マ様を美少女化したような美少女で俺のことを上目遣いで見つめてるとかサイコーだろ。


 これがオレに与えられた恩賞の2つめである。

 つまり俺が倒して捕虜にした敵大将が俺の一存で何してもいい存在になったってことだよな。


「それはともかく、お前—――縮んだ?」


「あっ、ハイ。」


 その姿は、あの決戦時では170cmほどあった身長も今では150cmもないのではないのか。

 それに合わせて、ボンッ、キュッ、ボンッだったシルエットがロリッ、キュッ、ロリッな体型になっていっる。


「ご主人様に仕えるのに姿を偽るのは不敬であると思い、この本来の姿で来ました。」


「ふーむ、つまりそれが本当の姿だったと。」


「はい。」


「なに?じゃぁ子供が戦場に居たってこと。」


「ご主人様。失礼ながらワタシは成人した女で御座います。この体も他の女性に比べて発育が良くなかったので魔法具を用いて姿を変えていたのです。」


「ほほ~う、なるほど。」


 俺がその体をまじまじと見つめると。


「ご主人様が望むのであれば姿を変えますが。」


 そう言われて改めて目の前のウルトゥムと戦場で対峙した姿を思い比べてみる。

 その姿にはそれぞれのいいところがあると思ったので、


「屋敷の中でオレの前に出る時は今の姿で、外で人目に付く時には大人の姿でいるのがいいな。」


「かしこまりました。」


 俺の判断にウルトゥムが頭を下げて了承し、これにて一件落着となったはずが―――


「旦那ってばかくれロリコンだもんにゃぁ~♡」


 悪魔の声が響いた。

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