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序章
序章
日本の東の洋上に、昂国はある。
そこでは、真と呼ばれる者が、人を従え、導いてきた。真の統べる国は幾つも興り、争いを繰り返した。
長い時の果てに、永和還復という革命を経ることで、ようやく昂国は一つになった。
この国の歴史の中で、真の中の真と讃えられる者が三人いる。深代・戦代・還代と、それぞれの時代で彼らは、この国の行く末を決める重大な決断を下してきた。
中でも戦代末期、四国が争う時代に生まれたオウ・青の生涯は、長く激烈な闘いの連続であった。
以下に続くのは、そのオウ・青と、彼と深い因縁を持つ人物、サイト・成の物語である。