#70 2度目の転生
前章のあらすじ
他の転生者に殺された聖夜。
しかしアレイスターにもらった神王の奇石でなんとか転生して元に戻れることに。
その待ち時間に女神に世界の真理の一部を教えてもらった。
そしていよいよ時を経て世界に舞い戻る!!
ここにきてからどれくらい時間が立っただろう。
ついにその時がきた。
「なんか俺体薄くなってね?」
「あぁ、ついに転生の時がきたのね。」
女神はそう言いながら興味なさそうに髪の毛をくるくるする。
「それで俺ってここに来てどれくらいの期間が立ったんだ?10年とか?」
「100年。」
……。
「まじ?」
「マジ。」
「マジか〜。」
ここにきてもうそんなに時間が経過したのか。」
世界はどこまで進んでんだろう。
ゼロとミルドは生きてるかな?
あいつらはごーれむとスケルトンだし大丈夫だとは思うけど殺されてたりしないかな。
不安だなー。
国の状態はどうなんだろう。
崩壊して100年も経ってるんだし流石にもうないかな。
考えていても仕方ない。
運にかけるか。
すると女神がこちらに近づいてくる。
いつものアホヅラではなく至って真面目な顔で。
「神成 聖夜。いや、グラトニー。」
そう言って俺の真前にくる。
「死なないで。」
「は?」
俺がその言葉の意味を聞こうとした瞬間、俺は別の場所に着いた。
見渡すとそこは全然知らない国であった。
見た目は前と同じでイケメン。
ただ装備は普通の人間のかけだし冒険者と同じ軽めの防具に普通のロングソードだけであった。
財布には5万ルピア。
そしていくつかの薬草が入っていた。
だが暴食や暴食の裁きなどは残っており、ステータスも多分そのままだろう。
しっかしどうすっかなー。
とりあえず情報収集がてら酒場で飲むか。
俺は酒場のカウンター席に座り、ビールととローストビーフを頼む。
あの女神と一緒の空間ではご飯をもらえなかったからな。
久々の飯だ、たっぷり楽しもう。
俺はローストビーフを口に含む。
ん?
味がしない!?
まさかせっかく暴食の裁きになれたと思ったのにまさかのリセットか!?
また人肉生活になっちまう!!
すると隣で同じくローストビーフを頼んでいた客が店長に一言、
「おい店長!!このローストビーフ味がしねぇぜ!!」
「すまない。今調味料が足りなくて味付けができてないんだ。」
「いやお前が悪いんかーーーい。」
びっくりして損したぜ。
俺は気を取り直してビールを飲む。
……うまいっちゃうまい。
けど俺の国の酒の方がうまい。
隣の人もビールを飲んでいたがどこか不満足な顔をしていた。
そして同じくビールを飲んでいた俺に目をやり、話しかけてきた。
「よう旦那。ここのビールはうまいか?」
「あー、うまいっちゃうまいが俺はこれ以上にうまいビールを飲んでたからな。」
「俺もだよ。一度滅んじまったが母国の酒がうまいのなんのって。」
「気が合うな。」
そうして俺はしばらくの間、酒と会話を楽しんだ。
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活動報告もちょこちょこ書いてるので見てってねー。