#61 蝿王の降臨
ベルゼブブ。
その名を聞くと蝿の王が浮かんでくるだろう。
ベルゼブブは大罪を象る七柱の悪魔の一柱。
地位はサタンより劣るが実力で互角と言われている大悪魔。
だがその正体は……。
「みなぎる!!みなぎるぞ!!!」
「なぁガブ、あいつって強いの?」
『強いわよ。なんてったってあいつは……。』
ガブリエルがそう言いかけると不意に近くで邪悪な風が渦巻いているのを感じた。
正義は慌ててそちらを見る。
するとそこには宙に浮き、嵐を操るベルゼブブの姿が見えた。
『ベルゼブブは人と融合すると一時的に昔の力を取り戻すことができる。だからあいつは嵐と慈雨を使うことができるの。』
嵐が吹き荒れ、地面が吹き飛ぶ。
そして慈雨の影響で虹が浮かぶ。
災害と幻想の調和が場をかき乱す。
「吹き荒れろ、《ディザスターストーム》!!!!!」
吹き荒れる暴風が正義を襲う。
「ガブリエル!!なんとかなりそうか?」
『この規模は無理!!!』
「なら俺が斬る!!《エアスラッシュ》!!!!」
だがその刃は暴風に通らず、弾かれ、正義は暴風に飲まれた。
「ガブリエル!!この嵐を相殺できるか?」
『頑張ればできると思う!!』
「なら頑張ってくれ!!!」
「わかったわ。くらいなさい、《ツイストトルネード》!!!」
そういうと二つの竜巻が現れ、嵐にぶつかる。
しかし、
「ふははははは!!!!俺様の災害級の暴風を竜巻程度で止めれるわけがなかろうに!!所詮人間は人間だな!!!」
「なにあいつ、めっちゃむかつく。」
『同感よ。』
正義は暴風から距離をとり、魔術を使う。
「《エンジェルゴーレム・クリエイト》。」
正義が魔術を完成させ、地面からゴーレムの上位個体、エンジェルゴーレムが召喚される。
エンジェルゴーレムとは最上位ゴーレムの一つ下の上一級岩石人と呼ばれる個体に天使の力が宿ったもの。
「ガブリエル、こいつに憑依してくれ。」
『なにする気?』
「俺は上位詠唱魔術を使う。その間の足止めを頼む。」
『あれを使うのね。わかったわ。』
そういうとガブリエルはエンジェルゴーレムに憑依し、一歩前に出て聖剣を構える。
それと同時に正義は魔術の詠唱を始めだす。
「邪魔はさせないわ。」
「そうか。まぁ邪魔するけどな。」
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活動報告もちょこちょこ書いてるので見てってねー。