#54 食べ歩き
「おぉ!?なんだこの食べ物は!!」
「これはただの串焼きだよ。ほら、お前の分。」
「なんと!?これが肉か!!まるで宝石のような輝きだな!!それに味も濃くて香りもいい、最高だな!!」
ベルゼブブは剣から蝿のような分身を作り出し、肉を頬張っていた。
俺とベルゼブブは現在城下町の店をうろついている。
「魔界の肉はこんなのじゃないのか?」
「魔界の魔獣の肉はこの肉に比べて味が薄いし輝きもない、しかも硬い。それに比べて人間界の肉はこんなにうまいものだったのか!!俺様ちょっと感動しているぞ!!」
「大袈裟だな。」
どうやら魔界では食べ物がまずいらしい。
みずみずしさのかけらもない野菜や硬い肉、どろっとしたドリンクに酸っぱい果物。
ちょっとかわいそうな世界だな。
「じゃあそろそろ城に、」
「おぉ!!あれはなんだ?案内しろ!!」
そう言ってベルゼブブは近くにあったスイーツ店を指差す。
いい加減城に返してくれ!!
俺がそう思っていたとき、
「けんかだー!!だれか止めてくれ!!」
オシャレなレストランからオーナーらしき人が叫びながら出てきた。
「けんかか、国王として止めに行かないと。」
「あぁ!!俺様のすいーつ!!」
俺はスイーツ屋の前で食べたそうにしているベルゼブブを手に店へ入っていく。
中では小柄なボロボロの前世のパーカーのような服を着た少年と魔族のチンピラが暴れていた。
「お前!!俺を侮辱しておいて覚悟はできてるんだろうな!!」
「侮辱?本当のことを言っただけじゃないか。なにが悪い。」
「殺す!!」
チンピラはナイフを手に取り少年を刺そうとする。
「ヤベェ!!止めないと。」
俺がベルゼブブに手をかけた瞬間、
「頭が高いぞ、ひれ伏せ!!」
少年が怒鳴るとチンピラは地面に吸い付くようにへばりついた。
「ガァ!?」
チンピラはそのままどんどんと床に沈んでいき、最初はもがいていたがやがて窒息死したのか動かなくなった。
「愚民が俺に逆らうからだ。」
そう言って少年は俺の方を見て右手の手の甲を見せてくる。
そこには5つの指輪が全ての指にはめられていた。
指輪はそれぞれ黒、緑、紅、桃、灰の色の宝石が埋め込まれている。
俺はスッと自分の右手の大罪の指輪を見る。
それは少年と同じように蒼、黄の指輪が。
「……、お前もか。」
「あぁ、俺は[傲慢の裁人]プライド!!この世の全てを統べる王である!!!」
そう言って少年はパーカーのフードを外した。
明日はクリスマスですね。
皆さんは何をもらいますか?
ちなみに僕はワイヤレスイヤホンをもらう予定です。
評価、ブクマ等よろしく
感想待ってます。
追記、クリスマスに梅田とか行ったらカップル多そう。
(ちなみに僕は非リアです。)