#45 邪神の墓
「ここか。」
邪神の墓。
それは邪神が作ったとされる攻略難易度が極めて高いダンジョン。
最深部には邪神がいるとかいないとか。
邪神って名前だし魔族かなんかかな?
とりあえず入るか。
俺はダンジョンに足を踏み入れる。
中は暗くてよく見えないが意外と清潔だ。
ていうかめっちゃいい匂いがする。
しかも驚くことに中の空気全てに聖属性が付与されている。
これアンデッド召喚したら一瞬で浄化されそうだな。
俺も人間じゃなくなった時アンデッドとかにならなくてもよかったな。
ずっと進むと扉が一つあった。
罠だろうか?
まぁいい、とりあえず行ってみよう。
俺が勢いよく扉を開けると、
その先には地面がなかった。
「は!?」
どうやらハズレを引いたみたいだ。
俺はそのまま空中に身を任せて落下していく。
少し経つとしたから生物の呼吸が聞こえてくる。
俺はそのまま地面に激突する。
レベルが高いので落下の衝撃を軽減できたけど危なかったな。
俺は周りを見渡す。
そこには大量の体が黒光っているGから始まる名前の生物を見つけた。
しかもその数50体。
カサカサカサカサカサカサカサカサ
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は気づいた時にはすでに走って逃げていた。
「嫌だ!! ちかよるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
俺は子供の頃カブトムシで遊んでいたら首がもげてトラウマになった過去を持っている。
それから虫が大嫌いになっていた。
なんでダンジョンにこんな奴がいるんだよ!
ダンジョンマスターが故意に放ったのか!?
ゆるさねぇ!!
出会った時に絶対ボコボコのけちょんけちょんにしてやる!!
「まとめて吹き飛べ!! 《ブラッディ・プロミネンス》!!」
血のように真っ赤な炎がGたちを襲う。
が。
「カサカサカサカサカサカサ!!!!!」
「生命力強すぎんだろクソガァァァァァァ!!!!!!」
Gたちは炎属性に耐性を持っているらしく無傷だった。
その後も水や風、土に雷や氷まで、さらには毒、病、呪も全て効かなかった。
このゴキブリはなんなの?
竜より強いの?
裁きによって鑑定が使えなくなったから俺はモンスター図鑑をペラペラとめくってみる。
名前、ゴキブリ
種族、魔蟲
ランク、A
説明、あらゆる環境に耐えられるように進化した魔蟲。
繁殖力が非常に高い。
足が早く、追いつかれると強い力で噛みつかれる。
エンペラーバジリスク、あいつでAランクだったはず。
それと同等の力。
そしてあの大群。
強すぎないか?
「あ!!」
俺がGたちから逃げていると最下層まで来ていたようだ。
ボスの部屋みたいなのがあった。
俺は構わず扉を開けてボス部屋に入る。
そこにはGを擬人化させたような姿をもつ人物。
「我はコックローチ。邪神アーサーの部下にしてこの墓を守る守護者だ。」
俺の脳内で奇妙な音楽が流れ始めた。
俺の意識がスーッと遠のいていくのを感じた。
カブトムシの首がもげてむし嫌いになった話は僕の実話です。
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