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【完結済み】世界のためなら何度でも  作者: 社長
最終章、終わり
177/192

#174 成れの果て

アレイスターはゆっくりと顔を上げる。


そして聖夜の元へと歩いて行った。


聖夜は相変わらず血を流し、死んでいる。


「そういえばひと昔前に天之川くんと出会ったよ、道中で突然ね。彼は宇宙を夢見ていたらしいけどその願いは叶ったのかな?君が叶えてあげたのかな?」


アレイスターはそのほかにもさまざまなことを話し始める。


死体に話しかけても何も起きるはずはないのに。


「私も、違う世界で君と天之川くんと出会えたら友達になれていたでしょうか。」







「あぁ、そうかもな」



ボカっ!!!



「い、いったぁ!!」


死体が動き始めた。


ちゃんと心臓が止まっているのも確認した。


それでも尚彼は、神成聖夜は立ってアレイスターの頬を殴ったのだ。


「き、傷口が塞がっている!?」


よく見ると刺したはずの背中が元通りになっている。


服も含めてだ。


あ、ダジャレじゃないよ。



体を再生させるどころじゃない。


周辺まで再生されている。


「い、一体どうして!?」


アレイスターは理解が追いつかず混乱している。


聖夜はアレイスターに突進していく。


「隙だらけですよ!!」


アレイスターはナイフを聖夜に突き刺す。


聖夜は抵抗も何もせずにただただ突き刺された。


すると次の瞬間、



スルスルスルスルスルスル



聖夜が急に元きた道を戻っていでたのだ。


それに伴い刺したはずの傷口も塞がり、ナイフについた血も聖夜の体に戻っていく。


「じ、時間が戻っているとでもいうのか!?」


ありえない話ではない。


なぜなら現に時間を止めることのできる天之川という青年を知っているからだ。


「死んだ時に誰かの声が聞こえてな、呼ばれた方について行ったらこの力を身につけたってだけだ。」


「負けそうになると発動する……まさかハニエル!?なるほど、今までピンチの時に能力が開花した理由がわかったよ。」


アレイスターは訳のわからないことを言っている。


「でも所詮短時間、しかも自分自身しか戻せないなら大して強くはないでしょう!!」


「それは果たしてどうかな。」


俺は特大の魔術の陣を描く。


「俺が手にしたのは時間を巻き戻す力だけじゃないってことだ。」


どんどんと陣は大きくなっていき、ついには逆行時計をも超える大きさにまで広がっていた。


「陣の大きさは違うけどこの術式……、間違いない古代魔術ロストマジック!?」


ロストマジックとは今から何千年も前の暗黒時代に生み出された魔術。


本来異常に生物が発達していた暗黒時代では魔術研究者や魔獣自身が生み出した今となっては防ぐ術がないほどの強大な魔術だ。


ただ現代では大気の魔力が薄くなっているので陣が巨大になってしまう。


陣が最大まで大きくなると黒い翼が陣から生み出される。


そして翼は何かを包み込むように羽を閉じた。


「くらえ、《ゼノ=アルビア》!!」


翼が羽をバサッと広げる。


すると中にあった巨大なエネルギー球から眩い光がアレイスターに差し込んだ。


光がアレイスターを包み込む。


「な、なんだこれは!?」


光の中は暖かく、痛みも苦しみも感じない。


心が安らぐような、そんな気がするのだ。


今まで荒んでいた心が洗われていく。


心がもうあんな『計画』のことなど忘れようと訴えかけてくる。


「嫌だ、忘れたくない!!計画が終わってしまう!!!」


アレイスターは温かい光の中でうずくまる。


どんどんと、計画がどうでも良くなってきた。


「やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」








光が止んだ。


アレイスターは膝をつき絶望の表情を浮かべ、涙を流している。


「嫌だ……、愛夜…………。」



アレイスターからはもう敵意を感じなかった。




【楽園の創造主】アレイスター=カミナリ、戦意喪失。



アレイスターのファミリーネーム(日本で言う名字)ってどこかで聞いた覚えが……。




次回投稿12月31日00時から!!!

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