#163 希望と絶望、絶望と希望
「ねぇいつまでこの格好してればいいの?」
「かっこいいからいいじゃん。」
リンとクロムウェルはさっきからずっと背中合わせでポーズをとっている。
「なんか戦いなのに、」
「緊張感ないですね。」
ゼロとミルドも困惑している。
「じゃ、そろそろ始めるか。リーン。」
「任せて。」
リンが呼ばれるとリンの周りに陣が浮かび、そこから人型の機械が3体出現する。
「これが私のエクストラスキル、【絶望の楽園】。機械の生成、改造ができるの。もちろん兵器だけだけど。」
「そしてそれに……。」
クロムウェルは懐から鳥籠を3つ取り出した。
鳥籠の中には小さなハートのようなものが入っていた。
するとクロムウェルは鳥籠の鍵を開けた。
開けると中のハートはすぐに出ていき、機械の中にスポッと吸い込まれるように入っていった。
「ぁあぁぁぁぁあ。」
「機械が……喋った?」
「これが俺のエクストラスキル、【希望の楽園】。冥界から魂を呼び出し、強制的にものに宿らすことができる。」
つぎつぎと機械に魂が宿っていく。
どの機械も呻き声と奇声を上げ、つらそうだ。
「ご、ごろぉぉじてぇぇぃぃぃ。」
「なんと下劣な!!」
「別に俺が操れるのは死んだ人間の魂なんだぜ。死んだ人間が地に足をつけれるだけありがたいことだと思えよ。おら働け。」
ギュィィィィィィィィィィィィン
機械が何かを締め付ける音がする。
それと同時に呻き声もより一層と大きくなっていく。
「魂を締め付けることで苦痛と痛みを感じさせて強制的に動かす。すごい技術よね、私も機械の中に入りたいわ〜。」
リンはうっとりと、もがく機械を見ている。
「いい!!これこそが真の希望真の絶望!!」
「……ゼロ。」
「分かってます。」
2人はそれぞれエクストラスキルを発動する。
「「このクズどもは切り捨てる!!」」
「だってよリン。」
「言われてるわよクロムウェル。」




