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【完結済み】世界のためなら何度でも  作者: 社長
第三章、VS 《電脳機竜》フェル・ニグルー
135/192

#134 冷酷で冷静な竜

『熱を操る竜ってか。面白そうじゃねぇの!!』


フェルは光を纏いながら地面を力強く蹴り進む。


『足元気を付けた方がいいですよ。』


『は?うわぁぁぁぁ!?』


フェルが地面を強く蹴った瞬間勢いよく滑ってこけたのだ。


その地面にはツルツルの氷が。


『なめやがってぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』


フェルは力任せにルミナに飛びかかるがどれも紙一重で交わされている。


『竜などの強大な力を持つ者同士の戦いには冷静さが必要なのです。そんな力任せに攻撃しても当たりませんよ?』


『うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!』


フェルは激しく激昂し、冷静な判断力が失われている。


『矮小ですね。力任せにしてても無駄っていうことに気付いてないんですね。』


ルミナは交わしつつも魔術の詠唱を完成させた。


『《クリア・アイスランス》。』


地面から無数の鋭利な氷の槍が出現し、フェルを串刺しにする。


『あがぁぁ!!』


フェルの腹に氷の槍が貫通し、身動きが取れなくなる。


魔術を使えば簡単に抜けれるが今のフェルにはそんな考えも考えられないほど冷静さを失っていた。


『さて、そろそろケリをつけましょうかね。』


ルミナは長い詠唱を始める。


その間にもフェルは力任せに暴れているが氷は一切壊れない。


ルミナは永正しながらも自分の体中から冷気を吐き出している。


フェルの周りはどんどん気温が低くなっていく。


そして体中の冷気が抜け終わる頃に詠唱が完成した。


『哀れな龍よ、絶対零度の氷の中で永遠に眠るがいい。』


ルミナが吐き出した冷気がフェルのもとにゆっくりと集まっていく。


『《アブソリュート・クリア・ゼロ》。』


ルミナが魔術を発動させると冷気の温度が一気に下がり、フェルは巨大な氷の塊の中で静かに眠った。


本物の竜と本物になった龍。


2体の激しく、静かな戦いが終わった。


『主人達(と骨)は大丈夫でしょうか。』


ルミナは少し不安になったがフフッと笑い、


『いや、あの人たちなら大丈夫でしょう。』


そう言ってしばらくこのボロボロになった部屋で休むことにした。


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