#11 嫉妬の大罪人
部活の合宿があり、昨日に投稿予定の小説ができませんでした。
待っていてくれた皆様、申し訳ございません。
『異世界からの訪問者へ』
叡智の書に書かれていた文字だった。
俺はそのページに書いてある文をゆっくり、丁寧に読み進めた。
この文を読んでいると言うことはおそらく異世界から来たのだろう。
私も元は異世界から来たただの人間だった。
それも、君達と同じ〈大罪人〉としてね。
おっと、まだ名前を名乗っていなかったね。
私の名前は〈魔神〉オルタナティブだ。
元は〈強欲〉グリードと呼ばれていた。
本来は異世界からやってきた人間は、〈神聖王国〉の宮殿に召喚されるはずなんだが私たち〈大罪人〉は、高レベルの魔物がはびこる魔物の森に転移されるように女神が設定している。
そう、君たちを魔物の森に転移させ地獄を見せ、君たちに重い罰をくだしたのは他でもなくあの断罪の女神だ。
これを聞いて、女神に復讐を誓った人間もいるだろう。
だが、私たち人間では神には敵うはずもないだろう。
そこで、君達に力を与えよう。
その力は初代魔神の力を7つに分けたものだ。
その力はそれぞれ〈大罪〉スキルに応じた指輪に入っているだろう。
ただ、それだけでは神には勝てない。
神に対抗するにはこちらも神になる、つまり魔神にならないといけない。
魔神になる方法は7つの指輪の力を手に入れないといけないが、指輪は一度決めた所有者が死なない限り永遠に離れることはない。
つまり、
『自分以外の大罪人を殺さなくてはならない』
私もほかの6人を殺して魔神となった。
ただ、その力をもってしても女神には敵わなかった。
だが、君たちにならできるはずだ。
幸運を祈る。
by.魔神オルタナティブ
女神を倒すには最低でも6人の人間を殺さなくてはならない。
そう考えただけで吐き気がした。
自分の復讐のためだけで人間を殺すなんて俺にはできない。
そう思い、本を閉じ、部屋から出た。
あの本を夢中で読んでいたせいかあたりはもう暗くなっていた。
今夜は近くの宿で寝ようと宿屋に向かう途中、
ドーーーーーーン!!!!
近くで爆発音が響いた。
村人達は慌てふためき、その場から蜘蛛の子を散らすようにして逃げていく。
俺は爆発音のした方を見に行くと、ひとりの男が立っているのを見つけた。
男は高身長で、長い白髪の持ち主だった。
「お前か?最後にでてきた大罪人は」
「お前は誰だ!」
「俺か?俺はお前と同じ大罪人、〈嫉妬〉エンヴィーだ。」
そう言って頭をぽりぽりとかく。
俺はそのすきに男を鑑定した。
名、〈嫉妬〉エンヴィー
種族、人間
レベル、34
レベルは俺の方が強いが、さっきの爆発を生み出すとすれば厄介だろう。
「まぁ特にお前に恨みはないけど俺が魔神になるために死んでくれ。」
やっぱり大罪人達は大罪人同士戦わなくてはならないのか……。
俺は静かに弓を構えた。
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