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蒼色のカード

 骸骨の眠る部屋で、二度目の目覚めを迎える。


「あー。死ぬかと思った……」


 疲労の抜けきらない体でもぞもぞと活動を始める。肉だけの食事を済ませ、僅かばかり汚れを落とす。

 無駄な努力と嘲笑うかのように、こびりついた腐敗臭と蒼色の汚れはほとんど落ちないが。


 俺は早々に身綺麗にするのを諦める。


「さて、何から確認するか……」


 俺は目の前に新しく手に入れた蒼色の単眼鏡と、蒼色のカードを並べる。


「まあ、メガネから、だよな。」


 俺は蒼色の単眼鏡に手を伸ばす。


 左目をつぶって、ゆっくり装備する。

 まだ、痛みは襲ってこない。


 俺は右目だけ開けた状態でステータスを開く。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 氏名 朽木(クチキ) 竜胆(リンドウ)

 年齢 24

 性別 男

 オド 30(6up)

 イド 11


 装備品 

 ツインテールウィップ (スキル MCドロップ率UP)

 革のジャケット 

 カニさんミトン (スキル 強制酸化)

 深淵のモノクル (スキル 鑑定)new!

 Gの革靴 (スキル 重力軽減操作)


 スキル 装備品化′

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「凄い、オドが6も上がるよ。25%も上昇したのか。やけに体の切れが良かったのはそのせいか。でも、オドが30もあっても耐えられない痛みって……。30って、常人の二倍以上の耐性なのに。」


 俺は左目を開けるのが一層怖くなり、ブルッと震える。


「さて、このメガネの名前は……深淵のモノクルか。名前が珍しくギャグっぽくないけれど、それが逆に怪しい気がする。深淵を覗き込むモノクルって、地雷臭しかしないよ。」


 俺は溜め息をつく。


「それで、このスキルの鑑定ってのが、前の戦闘で、なんだか見えないはずの物が色々見えすぎちゃった元凶なんでしょ。ものすごく有用で、お陰で命は助かったけど、あの苦痛は勘弁願いたい。」


 俺はとりあえず深淵のモノクルを外す。

 次に蒼色のカードを手に取る。


 そのままステータスを開くが、装備品には反映されていない。


「うーん。まあ装備品化のスキルとはエフェクトが違ったから装備品じゃないのは想定内だけど、何だろうこれ?」


 俺は名残惜しげにステータスを眺めながら独り事を呟く。


「あっ、もしかしてこれ、MCか? ツインテールウィップのドロップ率がUPするってスキルの。」


 俺はものは試しと、両手で蒼色のカードを掲げて、叫ぶ。 


「MCっ!」


 部屋に俺の叫び声が響き、残響を残して静寂がとって変わる。

 椅子に座る骸骨の虚ろな眼窩が、馬鹿にしているようにこちらを見ていると言う幻想に襲われる。


 俺は懲りずに叫び続ける。


「MC発動!」「MC顕現!」


 すぐさま静寂が広がる。


「あー、わかったかも! モンスターカードだ!」


 俺はすぐさま片手でカードを構えて三度目の正直とばかりに、叫ぶ。


「モンスターカード!」「モンスターカード発動!」「モンスターカード顕現!」「モンスターカード起動!」


しばし、思い付くままにそれっぽいフレーズを叫び続ける。


「はぁはぁっ。……ダメか」


 叫び疲れて息が上がる。


「最後の手段に頼るしかないのか。はぁー。憂鬱過ぎる。」


 俺は深淵のモノクルを装備すると、蒼色のカードを目の前にかざし、ゆっくり左目を開けた。



《用語説明》


 装備品:ステータスに表示される装備品は5つまで。この5つのみ、オド及びイドの増減に反映(アクティブ状態)される。また、スキルがアクティブになるのもこの枠に入ったもの、のみ。


 装備品は、武器が1つ。頭部、胴体部、手碗部、脚部で各一つ。武器以外の4つは必ずしも防具とは限らない。アクセサリーやタトゥー等もアクティブになる物が存在する。また、カニさんミトンのように、ほぼ武器と言える使い方をされる防具もある。


 武器は手で持たなくてもアクティブとなるが、武器以外の4つは装着部位が固定となっている。例、カニさんミトンを足に履いてもノンアクティブとなる。

 そのため、今後スキルの組み合わせでの縛りが発生してくることとなる。

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