表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/161

第99話

「気長に養生してください、また滑れるようになれますよ」

「はい、有難うございます」

そこへ、退院の手続きをすませた、彩世の母親が現れ、

「また、お世話になりました。有難うございます」

操は恐縮して云った。

「いえ、何のお役に立てずに残念です。所で、お医者さんは何と云っていますか?」

「お医者さんの話では、急に激しい運動をしたのがいけなかったそうです。だから、練習をはじめるなら、二ヶ月後なら良いと言っていました」

「やはり、僕も、そのことを心配していたんです。ところで、彩世さんを実家へお連れするんでしょうね。できたら、僕もお手伝いしたいと思っていますが」

「いえ、彩世は実家へ帰らないと云うんです」

「何故ですか」

「足が不自由でも、大学は休みたくないというのです。だから、京都の祖父母に面倒を見てもらうと云うのですよ。京都を離れたくないようなんです」

両親は意味深に云ってたが、意味を解さない祐二は、

「そうですか、じゃあ、僕の車で彩世さんを、お送りしましょうか」

「そうして頂いたら有り難いです。どうか、彩世をお願いします」

その時。

「彩世さん」

若い女性が彩世を呼んだ。

「あら、恵子さん、久しぶりね」

「怪我したの?大丈夫」

「ええ、フィギュアスケートの演技中の負傷よ」

「それは、お気の毒に」

云った後で恵子は彩世の両親に云った。

「もし、時間があるなら、彩世さんと少し話しがしたいんです」

「どうぞ、お好きなだけ話してください」

彩世の母親が云うと、恵子は、彩世が乗った車椅子を病院の外へ押して出た。

「懐かしいわね、恵子」

「本当ね」

 恵子の声に、以前の元気さがない。

「元気が無いわね、もしかしたら、ご家族の方が入院しているの?」

「いえ、真竹家のご家族と一緒にきているの」

真竹家は、慎吾の生家だ。

「そのために、北海道から帰ってきたの?」

「違うわ、今、、神戸に住んでいるのよ」

「じゃあ、ご主人と赤ちゃんもこちらに?」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ