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第71話

「落ち着いた?」

「ええ、今日は危ない所を助けて頂いて本当に有難う。もし恵子が来てくれなかったら......」

と震えた。

「間に合って良かったわ、でも、なんであのマンションに来たの?」

「ある人を捜していて、その人らしき人がいると聞いたので、尋ねて行ったんだけど、全然違う人だったの。失礼をお詫びして帰ろうとしたら、襲われたのよ」

「恐かったでしょう」

「ええ、本当にありがとう」

彩世は先ほどのことを思い出したのか、また震えだした。

「以前から捜していた人に会いに行ったのね?あの助けてくれた人に」

「違うのよ、今回は父の代理で会いに行ったの」

彩世は、祐二の忠告を守って、慎吾のことは伏せて話した。

恵子は良い人なのだが、以前、祐二のことを何気なく話したら、大学中に知れ渡り、やがてマスコミに追い掛けられる羽目になった。

彩世は慎吾にかかる迷惑を考え、恵子に本当のことを云ええなかった。

今回は、祐二の教えを守ったので、二度と、騒ぎに巻き込まれる恐れはないが、今後、一人で、慎吾に会いに行けなくなった。

「そうだったの。私があのマンションへ行ったのは、私の彼が住んでいるからよ。今日は彼と話し合いをしたと思い行ったんだけど居なかったので、帰ろうとしたとき、女性の悲鳴を聞いたので、行ったら彩世だったから驚いたわ」

「あのマンションに恋人がいたの?どんな人か会ってみたいわ」

「それは無理ね」

「どうして?」

「今日、彼に会いに来たのは、別れを告げるためだったのよ」

「どうして?」

「彼、北海道へ帰ると云うのよ」

「じゃあ、一緒に行けばいいのに」

「それがそうもいかないのよ」

と、云った恵子は、彼と別れる原因を話した。

彼は弁護士資格を得るために、司法試験を何度も受けたが落ちた。恵子は、その位で別れる気はない。真の原因は、試験勉強もせず、毎日パチンコ通いをしていて、その資金や生活費は親が有名な病院の院長であるため、毎月、仕送りをしてもらっているのだ。

恵子は、彼の自立心のなさに愛想を尽かしたのだ。



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