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158/161

第158部

だが、躊躇した、中学の時、暴力を振るって暴れ回る少年を、なげとばし、大怪我をさせたことを思い出したのだ。

まして、今は、柔道、空手の高段者である。

もしあたりどころが悪ければ、相手が死ぬのは確実だ。

いくら正当防衛とはいえども、思い切った攻撃ができない。

この難関を最小限の被害で終わらすためには、防御しながら、他車が通るのを待つ作戦を選ぶしか無かった。

男達は、祐二の思惑に関係なく襲いかかってくる。いつしか祐二は男達の車を背にして、我が身を防御していた。

だが、その車の中には他の三人を手足に使う狡賢い男達のリーダーが隠れていた。

首領は車から、そっと出ると、祐二の背中にナイフを一気に突き刺した。

瞬間、血が辺りを真っ赤に染めた。その血を見た若者達は、狂ったように、祐二に飛びかかり、殴る蹴るの暴行を働く。

めぐみ、その様子を目のあたりにしても、恐怖で心体が氷のように固まり、警察に助けを求めることも思いつかなかった。

祐二は致命傷を負いながらも、二人を立ち上がれないほどの攻撃を加えた。その時祐二の上着から携帯電話が路上に落ちるとその勢いで側溝に転がり落ちた。

そして、痛みに堪えられなくなった祐二の身体は、朽ち木を倒すように倒れた。

佑二の身体から携帯電話が落ちるのを見ためぐみは、自分が何をすべきか気づき、恐怖で震える手で、携帯電話を操作した。 

めぐみが携帯電話を持っているの見た暴漢たちは、警察に通報されては我が身が危ないと思ったのか、やばい、と叫びながら、立ち上がれない二人の仲間を車に乗せると猛スピードで逃げていった。

真っ赤な血で染まり、路上に倒れた祐二に駆け寄っためぐみは、祐二に覆いかぶさりながら叫ぶ。

「祐二さん、しっかりして!」

めぐみは。血が溢れでる箇所を手で押さえ、

「私のために、こんなことになって、ごめんなさい」

めぐみの目から、大粒の涙が流れる。

「大丈夫だよ」

祐二はめぐみを安心させようと微笑んだ。

「なぜ、自分の命を掛けて、私を助けてくれたの?」

「貴女に、自由な明日をあげたかった」

「私は、貴女と結婚したくないと云った女なのに、、、私が殺されればよかったんだわ」

めぐみはまた涙を流した。

「自分を責めないでください」

「いえ、私が殺されていたら、祐二さんがこんな目に遭わずにすんだわ」

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