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第157部 家路雲

やがて、右側の断崖絶壁上に小さな展望台が現れてきた。めぐみは車を降りると、祐二と語り合った展望台へ上がったいった。

その時、夕日は日本海に沈み始めた。同時に、青い海と空の白い雲が黄金色に変わっていき、地上の全てを明るく染めた。その美しい景色を見ためぐみは、祐二を思い出した。

その時、他府県のナンバーを付けた二台の車が急停車すると、車の中から髪を金髪に染めた、見るからに恐ろしげな形相の男が三人が降りて来た。

一人の男が、めぐみに向かって馬鹿丁寧に、

「そこの美しいお嬢さん、何をしているんですか」

と云いながら、辺りを見渡す。

本能的に危険を感じためぐみは、何も言わずに自分の車へ逃げ込み、車のエンジンをかけ発車させようとしたが、男たちは、自分達の車でめぐみの行く手を塞いだ上、車を動かせないようにタイヤをパンクさせた。

めぐみは恐怖から、携帯電話で警察を呼ぶ事もできず、車内で震えていた。

三人の若者は悪魔の様な形相で車を取り巻くと、出てこいと大声で怒鳴り、車を叩いたり、蹴ったりしたが、めぐみがドアを開けないため、自分達の車から金属バットを持ち出し、車の窓を打ち続けた。

やがて、ドアのガラスが破れ、男達は車のロックを外し、めぐみの腕をとり、車外へ引っぱりだした。

「助けて!」

めぐみは必死に抵抗しながら助けを呼んだ。しかし、人影一つない断崖道。

そのことを男達は知っているのか、悠々とした態度で、めぐみを自分の車へ乗せようとした。

乗せれば、何処か人気のない淋しい場所へ連れていき、三人で代わる代わる陵辱したあとで、犯行がばれないように殺し、海か川へ捨てる心算なのだ。

今まさに、めぐみが車に押し込められようとしたとき、一台の車が急停車し、一人の男が飛び出してくと、一気にめぐみを取り返して云った。

「乱暴なことはするな」

男は祐二だった。

めぐみを拉致し強姦しよとしていた男達は、急に現れた祐二に対して、一瞬たじろいだが、すぐ、一人だと知ると、何も云わずに、二人が同時に襲い、一人が祐二の車にタイヤもパンクさせた。

タイヤをパンクさせるのは、襲った者を絶対に逃さない、そして、悪事がばれないために行っているのだ。

この手慣れた動作から、今日まで、数えきれないほどの悪事を働いていることが予想され、祐二は油断ならない相手だと思った。

三人の男達は、祐二を取り囲むように襲ってくる。

祐二の力なら、本気をださなくても、攻撃すれば、即座に暴漢たちの腕や助骨を折り、戦意を喪失させることくらい簡単なことだった。

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