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蝶と時間軸の針  作者: 朝月 神無
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蝶と時間軸

 

 私は今、誰にも認識されない。

つまり、死神として史上最悪とも言える禁忌を犯した罰を受けているのだ。

私は悪霊に成り下がった者よりも更に厳しい処分を受けた、それは

         『永久追放』

 

 私達、あやかしにとってこれ以上のものは無い。

成仏するか、消滅されるか・・・。

 いや、私は成仏なんて出来ない。

私は、人を沢山殺めてきた。

私には消滅のほうがお似合いかもね。

 彼女はかつて、この世を脅かすほどの死神だった。

今はそのなりの果て。

だけれど、私は今も空の隣に居る。

 もう私の手は消えかけていて指先の感覚が無くなってきてしまっている。

そんな状態でも歌い続けている私は、きっと。ううん。完全な

大馬鹿者ね。

 哀しくも儚い一時のユメに溺れて目が覚めてしまった。

まだ、このユメに酔いしれたいけれど

それももう無理みたいで。

「私の愛した人よ、どうか忘れないでおくれ。私はいまもここに居るわ。」

 空にキスをしたその後に蝶々は半ば諦めて悲しげに泣いた。大声で泣き叫んでも誰にも、空にも、

 キズイテモラエナイ――――。

 徐々に消えかけていくカラダ。

自分で無くなってしまう恐怖。

誰にも認識されない、孤独。

腰辺りまで消えかかった。

 その時だった

「蝶々?」

不意に声がした。

なつかしくって大好きなあの声。

「空?」

手を伸ばそうとした時だった。

私のカラダが、いや。首から上しか残っていないことに気づいたのは。

 愛する人をこの手に抱けない。

目の前に居るのに・・・。

これじゃあ、あの時と同じ―――。

 あの時って?

ブツン!

 時間軸は廻り続ける。

なんども、何度も。

廻るのだ。

 「さぁ。今回は男かはたまた女か。」

まだ当分は、廻り続けるだろうけど。

私は、答えが知りたいの。

 ハッピーエンドが。

           

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