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7.人肌の温もり

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

〖ミリア・ミレアニア〗

種族:アース・ヒューマ

状態:通常

Lv :6/70

HP :18/20

MP :4/20

攻撃力:12+5

防御力:14+2

魔法力:25

素早さ:17


装備:

手:〖枯れ木の杖:F+〗

体:〖村娘の服:F-〗


特性スキル:

〖グリシャ言語:Lv5〗

〖魔術師の才:Lv2〗


耐性スキル:


通常スキル:

〖レスト:Lv2〗〖ファイアボール:Lv1〗


称号スキル:

〖ちびっこ白魔導士:Lv2〗

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 俺を助けてくれた少女は、名をミリアというらしい。

 年齢は14歳前後に見えるが、彼女の顔つきと身長、おかっぱ気味の髪型が、彼女を実年齢より幼く見せているのかもしれなかった。


 彼女は膝に俺の頭を乗せ、頬を撫でてくれた。

 こっちも向こうが怖がって逃げないよう、手足をだらんと伸ばして無抵抗を表明し、彼女に身体を預けていた。


 本当はもう麻痺はほとんど抜けていたけど、わざと最小限しか手足を動かさず、身体を震えさせたりしてみた。

 もう動けると判断されるとミリアが二人を追いかけてどこかへ行ってしまいそうな気がして、それが怖かったのだ。

 彼女の事情も知らず身勝手だと、そのことはわかっている。

 わかってはいたけど、寂しかった。


 ミリアは俺の顔を覗き込みながら、『大丈夫?』だとか『ごめんね』だとか話し掛けてくれる。

 言葉はわからないが、表情や言い方からなんとなくわかる。


【特性スキル〖グリシャ言語:Lv1〗を得ました。】


 お? これでちょっとは俺もわかるようになってくっかな?


【称号スキル『嘘吐き:Lv1』を得ました。】


 ……的確に人の罪悪感抉ってきやがる。


 にしても、簡単に称号入りすぎな気がするんだけど……ミリアにもドーズにもそんなに称号なかったな。

 なんで俺だけこんなにポンポン称号がつくんだ? しかも悪口ばっか。

 何か理由でもあるのだろうか。

 神の声と関係しているような気もするし、考えるだけ無駄なような気もする。


 にしても、この娘の成長限界Lv高いな。

 ドーズでも最大Lv45だったのに、彼女はLv70まである。

 人間が進化するとも思えないし、才能の壁という奴なのだろうか。

 いずれミリアは、あのチンピラ戦士よりもずっと強くなる。


 そんなことを考えながら彼女に甘えてべったりと張りついていると、遠くから小さく悲鳴が聞こえてきた。

 ドーズと、老人のものだ。


 ミリアは声の方を向いて数秒固まった後、俺を丁寧に抱き起して木の背に凭れさせる。


 ミリアのステータスとドーズのステータスはかなり違う。

 いずれは逆転するだろうが、今の段階ではLvも倍近く違う。

 ドーズが悲鳴を上げるピンチならば、彼女が行こうとどうにもならない。

 当然、ボロボロの俺が行ってもそれは同じこと。


 恐らく彼女の所持している〖レスト〗が回復魔法で、それを頼りにされて連れてこられたのだ。

 しかし、その回復魔法もまともには使えないだろう。

 さっきステータスを見たとき、彼女のMPはほとんど残っていなかった。


「ガ……ガウ……」


「……τα λέμε」


 それだけ言って、ミリアは寂しそうに笑う。

 そして小さく手を振って、声の方へと走りだす。


「ガウッ!」


 止めたかったが、身体を動かそうとすると前に派手にこけてしまった。

 まだ本当に麻痺が残っていたのだ。わざと動かさなかったら、ちょっと痛みが引いて治ったと勘違いしてしまっていたが。


「ガァァッ! ガアァアァァツ!」


 ミリアの背に叫ぶが、彼女は俺の身を案じるように目を細めた後、小さく頭を下げてまた走り出してしまった。


 待ってくれよ!

 お前が行っても、きっとどうにもならないんだ! だから……。


「グガァァアァオオオオオオオッ!」


 森奥から響く、地を揺るがさんばかりの大声。

 ドーズ達の悲鳴の近くだ。

 俺の鳴き声に少し似ているけれども、俺の声よりもずっと大きく迫力のある咆哮。


 嫌な予感がする。

 だが足を持ち上げようとしても、なかなか思うように動かない。動けない。


 そもそも俺のHP自体、完全に回復したわけではない。

 よくて半分ちょっとといったところだ。

 俺が行っても、モンスターの餌になるだけかもしれない。


 それでも、俺はカクカクとしか動かない足を止めるわけにはいかなかった。

 歩くほど、少しずつ麻痺はマシになっていく。

 いける。これなら、向こうに着く頃には自在に動き回れるはずだ!


 俺は時間を掛け、それでも一歩一歩、確かに声の方へと向かう。

 麻痺がほとんど抜けてきたところで、俺は再び自分のステータスを確認する。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:ベビードラゴン

状態:麻痺(小)

Lv :20/25

HP :38/72

MP :59/68

攻撃力:61

防御力:46

魔法力:58

素早さ:42

ランク:D-


特性スキル:

〖竜の鱗:Lv1〗〖神の声:Lv2〗

〖グリシャ言語:Lv1〗


耐性スキル:

〖物理耐性:Lv2〗〖落下耐性:Lv3〗〖飢餓耐性:Lv2〗

〖毒耐性:Lv2〗〖孤独耐性:Lv3〗〖魔法耐性:Lv1〗


通常スキル:

〖転がる:Lv2〗〖ステータス閲覧:Lv2〗〖ベビーブレス:Lv2〗

〖ホイッスル:Lv1〗〖甘噛み:Lv1〗〖ドラゴンパンチ:Lv2〗


称号スキル:

〖竜王の息子:Lv--〗〖歩く卵:Lv--〗〖ドジ:Lv3〗

〖ただの馬鹿:Lv1〗〖インファイター:Lv3〗〖害虫キラー:Lv1〗

〖嘘吐き:Lv1〗

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 やっぱりHPは半分とちょっと、と言ったところか。

 相手は恐らく格上。しかし、ミリア達と協力すれば、敵を退かせるくらいならできるかもしれない。

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