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第81話 イベント戦開始直前! それは歌姫との……

 料理以外にほぼ手を出し、途中で合流してきた桜子と一緒にデュラハンに乗っての城壁の組み立てもやって……

 途中、肝心なところでログアウト勧告が出ないように昼寝を取って……


 開始まで一時間を切った所で、マイルームに戻った。装備やアイテムの確認、点検、補充のためである。


 デュラハンに乗って戦うつもりだが、デュラハンが大破した時のことなども考えて生身の装備も万全の状態にしておく。剣と盾については貴重なアイテム欄を消費するが余分に一つずつ持っていくことにした。


 ハイ・ゴーレムの剣と楯についても同じように一本ずつ。鉄蜘蛛が二人で狩れるようになってから素材に余裕が出来たので造れたのだ。

 そして『鉄蜘蛛の修復のドリル。ランクC』で残りの三枠を埋める。ドリル・ドライバータイプのドリルで、形状は銃に似ている。そこで修復ポイントをガガガガガガと掘ると何故か回復すると言う素敵仕様なドリルなのだ。


 装備を整えた所で、ハンガーの機体のコクピットに移り出撃することにした。


「造っては売り、造っては売ったなー……」

「はい。充実した時間でした」


 十あるハンガーをデュラハンで埋めては納品して……ハンマーや針やフラスコを使って機体を造り続けた。

 今はこの一号機とEランクとD+ランクの機体が残る……少しガランとしてしまった寂しいハンガー内をコクピットから見まわして感慨にふける。


「そして、結局言われるがままに、機体は青色にしちゃったな」

「私はマスターに相応しい色だと思います」


 そう。何だか知らんが青色が俺のパーソナルカラーとして定着してしまったためか、機体色を青色にしてほしいという意見が三ギルドから多数寄せられたのだ。

 アイリスに聞いてみたら異存は無いと言うので、機体をポンと青く塗り替えた。関節部分や手は鉄色のままだが。


 後は前々から考えていたギルド・マークである。絵心と言う奴は無いのでどうしようかと悩んでいたら、桜子がおずおずと自分が書きましょうか? と言ってくれた。幼いころに有名な画家に師事していたらしく、無茶苦茶上手かった。


 そんなわけで俺のデュラハンと桜子のデュラハンの左肩装甲には、桜子の描いてくれたマークが描かれている。


 俺の機体には黄色いアイリスの花と白で描かれた『千』の字が。


 桜子の機体には桜色のアイリスの花と白で描かれた『千』の字が。


 ――うん。これだけは自慢できるマークになったと思う。千花繚乱に相応しい華やかなものになった。

 しかしこの調子で行くと香坂のマークは赤いアイリスの花になるのか……


 などと考えていたら、


「マスター。お電話です」

「お、つなげてくれ」


 電話と言っても単にウイスパーである。決めた相手にしか聞こえないささやき声であるが、長距離の相手とも会話できるためプレイヤーの間では電話と言われている。


『やっほー。セイチは元気ー?』


 予想通り、香坂だった。


「何だよ香坂? そろそろ出番で緊張に耐えられなくなったのか?」

『うぐっ……そーよ! 悪かったわね! 他のワールドの先輩たちと違って、こっちは新米よ! おいしいのよ! ホカホカなのよ!』

「新米の意味が違うだろ」


 シートに深く座りながら、アイリスを手のひらに乗せて頭を撫でながら香坂との会話を続ける。

 ――ただの一プレイヤーとして参加する俺も、ちょっと胃が重い感じがするのだ。主役として降り立つ香坂のプレッシャーはそれこそ、伝説のニュー○イプにオールレンジ攻撃を仕掛けられた新兵に等しい気分だろう。


『はあ~……逃げちゃダメだって何度も口にしてるけど覚悟は決まんないのよね……』

「包帯の美少女が足りないんじゃないか?」

『包帯は無いけど、美少女はいるわよ』

「…………」

『ちょ! 突っ込みなさいよ!?』

「いや真っ赤な顔の香坂さんが余裕で想像できたんで」

『ヘンタイ! セイチのヘンタイ!』


 なんでだ?


『もう! ここは気を聞かせて私を励ますところでしょ!? がんばれーとか、応援してるーとか、そう言う優しい言葉プリーズ!』

「もう、充分香坂はがんばってるだろ?」

『え?』

「なあ、アイリス?」

「はい。朱音さまならやれるわ……です」

『……もしもーし、お父さん。教育方針はそれでいいわけ?』

「当たり前だろ? うちのアイリスは最高だぜ!」

「マ、マスターも最高です!」

『ば、バカ親子……』


 バカとは失礼な。俺はともかくアイリスは優秀だぞ?


『ま、良いか。うん、さっきの言葉は合格点だった。助かったわ。あなたも頑張ってね! 千花繚乱のギルマスなんだから!』

「もちろんだ! じゃあ、戦場で会おうぜ!」

『うん! アイリスちゃんも後でね!』

「わかりました!」


 そして、臆病ながらも逃げ出さない我らの立派な歌姫との交信は終わった。


「――よし。あいつのためにも絶対勝とうな、アイリス!」

「はい、マスター! 歌姫すら自分の配下に置く、私のマスターなら一騎当千の活躍が出来るはずです!」



 その期待は重いんだが……まあ、そのくらいの気概で行くか!

 俺とアイリス……そして俺のデュラハンはハンガーから出撃した。




 アイリスがいなかったらこの時の会話はどんな感じになってたんでしょう……いや、きっと変わらないかな? 二人とも主人公(物語とロボオン内の)としてちゃんと鈍感なので。


 お気に入り登録、感想、評価ありがとうございます。またお待ちしております。


 次回。とうとう、奴が……奴が来る!?


 誤字脱字修正しました。指摘してくださった方ありがとうございます。

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