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第31話 ロボゲー・オンラインもよろしく!

「さあ、セイチ様! 掘ってェ、掘ってェ、また掘ってェ!」

「……ヒー○ー戦記もよろしく?」

「ば、バカな……た、炭○節じゃなく、百年以上前のゲームソフト……それも脇役もいい所の宝さがしじいさんを最初に思い浮かべるですって……!?」

「少佐に言われちゃあ、プレイしないわけにはいきませんからね」


 そんなわけで岩肌につるはしを撃ちこむ作業を続ける……いや、続けられてはいないな。

 降りかぶり、目標地点――白い光の粒子が出ている岩肌に打ち込む。一度ではダメなので、二度。


 ぼろっと落ちてきた石が地面に落ちる前にカード化すると同時に、俺も地面に座り込む。


「ま、まさか……採掘作業がこんなにもスタミナを消費するもんだなんて……」


 落ちたカードを拾いつつ、息を整える。座った瞬間に息苦しさが消えるが、普段の習慣と言うのは恐ろしいと言うことだろうか。


「『風岩の塊。風属性。ランクD』……これで合計で七枚か」


 アイリスが集めてきたのは二枚。アイリスはHP、MP、STが『魔力』で同一されているため、俺よりスタミナは続くよう……だけど、俺より力が弱い設定なのか、四回か五回ほど打ち込まないといけないため、効率はあまり良くないようだ。ほとんど俺の頭の上で寝そべって……もしかして、眠ってないか? まあ、いいけど。


「――と言うか、コラムダさん。箒でレ○レのおじさんごっこしてないで、手伝ってくださいよ」

「ふっ……サポートNPCメイドに、そんな能力はありませんっ! あ、でもロボットの起動キーとか、青春スイッチでもあれば話は別ですが」

「グ○ン団と仮○ラ○ダー部のみなさんのお帰りはあちらですっ!」


 始まりの遺跡へのワープポイントである柱を指さすと、コラムダさんは唇を尖らせて「ちぇー」と言った。言いたいのはこちらの方である。

 それにしても、スタミナの完全回復に三十秒ほどで、立ったり座ったり掘ったりカードを拾ったりで、一枚手に入れるのに約一分と言う所か……仮に30枚集めるとしても三十分である。効率がいいのか悪いのか。


 しかも、一か所のポイントで掘れるのは三回程度であり、また別の粒子が出ているポイントに移動しなくちゃいけない。大岩はかなり大きく、採掘ポイントもかなりあるようだが、人が増えたら裏側に回らないといけないこともあるだろうから、その時はかなり時間を取られるな。


 ともかくアイリスが保有できる枚数限界まで行ったら、解体を使ってカードから素材にしよう。俺とコラムダさんが持てる量限界まで解体したら、またカードを集めて……うん、先は長いな。


「ところで、セイチ様。草原でこんな天気が良いと、お弁当的なものが必要だとは思いませんか?」

「持ってるんですか?」

「メイドは料理なんてしませんっ! それはコックさんの仕事ですよっ」


 そんな、中世のメイドさん達が見たらひっくり返りそうなメイド服を着て置いて何を言うのか。オムライスでも持ってきて魔法の言葉でもかけてみろってんだ。


「そうではなくて、セイチ様が料理をすれば」

「あー……確かに。さっきの生産系アイテムに料理のもあったなー……いや、現実じゃあ自炊してますから多少は出来ますけど、こっちじゃスキルlvはゼロですし、食材になるアイテムもありませんよ」

「……そう言えば昔、岩を食べるロボットがいましたね……」

「止めませんからね」


 大岩の方を見て、よだれをたらしそうな顔をしているコラムダさんを放っておいて、俺は作業に戻った。

 数分後、何かに敗れたかのように地面にうずくまるコラムダさんは、口元を両手で押さえていた。マジで挑戦したんかい。




「しかし、Dランクばっかだなー……」


 モンスターもD、アイテムもD……もしかしてここはDランクで固定されているんだろうか? 採掘のスキルlvを上げればここから出るカードも変わるのだろうか?

 俺が採掘作業をしていても置きないアイリスを無理に起こすのも何なので、教えてくれるかどうかわからないが、一応コラムダさんに聞いてみた。


 今まで倒れ伏していたコラムダさんは、俺が声をかけると、ぺっ、ぺっ、と口の中の物を出しながら、


「まるでかつての親友に頭を踏みつけられた時の味がしましたよ……」

「あれは土の味であって、岩の味じゃないと思いますけど」


 と言うか、この仮想世界は岩とかにも味を設定してあるんかい。無駄な所に力入れ過ぎだろ、ロボオンスタッフ!


「えっと、もっと簡単に高ランクの素材が欲しいんですか?」

「嫌な言い方をすると、そんな感じです」

「セイチ様……世の中にはリアル――」

「違法ですよね、それ!?」

「イカサマがばれなきゃイカサマではないように、違法もばれなきゃ違法じゃ――」


 ――バリバリバリバリ!!!

 

 上手に焼けましたー!

 母親の愛の鞭(勇者のみが使える呪文)を喰らって、自分がおいしく料理されたコラムダさんは、直立体勢を維持したまま横に倒れた。


「……でしたら、アイリスちゃんにカードを与えてみては?」


 口から黒い煙を吐き出しつつ、コラムダさんはそんなことを言ってきた。


「? カードなら預かってもらってますけど?」

「いえいえ、カードにはもう一つの使い方があるんですよ。それが、精霊AIにデータとしてインストールすると言う方法なんです」


 そして、もっと早く言えよ! と言う突っ込みが、したくてたまらなかったコラムダさんの講義が始まったのだった。






 タイプRVの戦闘テーマでホロリと涙が出てしまった……ええ、私のことです。やるなス〇ロボスタッフ!


 お気に入り登録200人突破! みなさんどうもありがとうございます! 感想、評価も励みにさせていただき、これからもぶっちぎるぜぇ! ……これはRVじゃなくて、RXでした(笑) おのれ、ゴル〇ムの仕業か! これはRXじゃなくて――以下略です。

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