〜第一章〜月謝星命祭〜弐〜
拝啓世界人類御中
どうも作文家藤井雪彦{べこ丸}で御座います
まだまだ物書きとして未熟な面が多々ありご心配ご迷惑をお掛けして大変申し訳御座いません
戦争物を書くにあたりまだまだ勉強不足でしょうかまぁそんなこと大した問題じゃないねというわけで宜しくです
敬具
藤井雪彦{べこ丸}
〜弐〜
アバンの火竜化の閃光によりサドッホたちが居たシュナイザー館とクリシュナ神殿は、跡形もなく壊滅している。
「……はっ!?何故、わしは生きておる…てっきりわしはあの時死んだものとばかり…むぅ…お前はハロウィン卿の守護ペット【ヴァギXIII】!?お前の影術の御蔭だったのか!?本当に有難う…お前には大恩が出来たな」
ガナン国王宮近くの路地裏にクリシュナは居た。
どこからか女性の泣き声も聴こえる。
闇の中に黒豹が1匹居座って居る。
「礼なら主{しゅ}に言ってくれ。主の命令で俺の影術、【暗黒化身{ダークネス・リヴァース}】で、あんたに閃光が直撃寸前の刻にクリシュナ神殿にあんたの人影分身を造りあんた自身をこの場所に同じ人影を造り、入れ替わらさせて活かした。もぅ1匹、どうでもいいメスガキも主の命令で活かした」
ナイザーが、ひたすら泣いている。
「うぇぇぇぇぇぇぇえぇえぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえぇえぇぇんっ!!うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇえぇんっ!!パパがぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁっ!!パパが死んじゃったよぉぉおおぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ!!」
クリシュナはナイザーにゆっくり歩み寄る。
「アバンのことは…君の御父上のことは…ただただスマン…アバンを許せとは言わないがわしはアバンのほぼ育ての親同然…アバンの代わりにわしが謝る。本当にスマン…」
そう言ってクリシュナはナイザーの前で深く頭を下げる。
ヴァギXIIIは「そのメスガキはアバンの家族同然の蜘蛛クラウドを踏み潰し殺した…アバンの心の中でクラウドがどれだけ大きい支えになって居たか…それに…飛翔石のチカラによる暴走の原因を作ったのはクラウドの死…ヴァギXIIIが喋り終える間もなくナイザーが泣くのを辞め激怒する。
「それが何っ!!パパの命と虫ケラ1匹の命を比較なんかしないでくれるっ!!このクソジジイっ!!あんたっ!!今から、この短剣を渡すから責任取って自害してっ!!そうでもしなかったら憎きアバンを私がこの短剣でぶっ刺してやるっ!!殺してやぁるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!ぶっ殺してやぁるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
クリシュナはナイザーのただならぬ復讐の狂気に、ただただ、どうしていいか解らず困惑して居る。
クリシュナは、よく考えてこう言った。
「…復讐を考えることだけはどうか辞めて頂きたい。そんなことよりも、これからの君の犠牲になられた天国にいらっしゃる御父上の幸せは将来、君が幸せになることに他ならない…君はクラウドを殺したそうだな。何故か理由をもし宜しければ御聞かせ願いたい」
「そ…それは…あのクソガキが私を差し置いて蜘蛛や家畜以下のサバイディを溺愛なんかしてるからよぉっ!!それがなんだって言うのよぉっ!!」
付近からクリシュナにとって懐かしい声がした。
「それくらいにしておけ。小娘。活かした意味がまるっきりない…それにお前たちシュナイザー家は今まで奴隷にしてきたセトの民たちを1人も殺さなかったと言えるのか?その者たちも泣いて許しを乞うたはず…ヴァギの情報分析によるとお前自身、その罪深き短剣で遊び半分で7人殺したそうだな。上品な顔立ちにしては、やることが、あまりにもえげつないなぁ!!えぇ!!おいっ!!」
「そ…それは…物心ついた頃からパパからサバイディは人間以下と…ぉ…教わったから…」
「貴様は、教わったからといって何でもかんでも、やることが許されるのか!?そうやって自身の大罪は棚に上げてアバンを攻める資格は貴様には無い。至極当然の因果応報を受けただけだ。ほぉう。まだ呼吸をしていたか…クリシュナ…・アッパード…ケキャキャキャ」
クリシュナは声の方向を見た。
ハロウィン卿が謎の黒い炎に身体中を包まれ苦しそうに座って居る。
クリシュナは「なんじゃっ!!ハロウィン卿!!お前の身体のその炎はっ!?アバンの火竜化の炎ではないなっ!!」と驚きを隠せず叫ぶ。
ハロウィン卿は話始める。
「ケキャキャ…大したことはない。30時間経過すると鎮火する。【レーデル国三冥帝】の炎術師、【マイア・ドレスハート】の呪炎術、【魔皇帝の呪炎{ハッサーターン・フレア}】を仕掛けられただけだ。なに、レーデル国三冥帝を気まぐれでだいぶやってたが、あるレーデル国の異常事態に気づいてな。お前に伝言を伝えに来た。【セト神】が生きている。3年前の通力使い、優斗聖薩の化身、【舞鳥青準{まいちょうせいじゅん}】によりトートバッグに黒蛇と共に封印される刹那、媒介の黒蛇から離脱して、透明な空気に変化してレーデル国へと逃亡。現在、三冥帝【カラカラ・イデア】と名乗り、媒介は頭部は鳥の頭部型の石仮面に身体はボロ布。腕は鳥のような爪。俺は六芒星高等魔術【天地驚逆転{てんちきょうぎゃくてん}】により、レーデル国中全ての街の重さを奴の石仮面にぶつけたが、それでも割れなかった。どうやら、かなり相当な驚異的暗黒パワーに目覚めたようだ。俺は奴を倒そうとした罪と捕らえられていたガナン国兵士の捕虜五〇〇〇人を国外逃亡させ無事故郷へ帰還させた罪で裏切り者とされ今に至る。それだけじゃない…カラカラは暗黒パワーにより、この聖地ゴンドワナの各国、それぞれ3つある御神木メグモリの樹の1つ、レーデル国のメグモリの樹を赤黒い巨大な人喰い塔【星命処刑{せいめいしょけい}ヘイアプオア】に変化させ、これまでかなりの数のセトの民たちや、レーデル国中の犯罪を犯した者たち、そしてろくな扱いしか受けてなかった二〇〇〇人を超えるほどの捕虜となっていたガナン国兵士たちも塔の生贄にされている。しかも、レーデル国の王子である【ディザイア・レーデル】は、【秘剣アヌビスの剣】を入手し、アヌビスの化身となり、不老不死の身体となり、カラカラやマイアと共謀し、手を組み、レーデル国乗っ取りを始めている。レーデル国の国王【レリーフ・レーデル王】とメシア姫は、ディザイアの手によってアヌビスの剣で斬り倒され、早急な行動を思い留めた俺は、レリーフ王とメシア姫が、絶対絶命のところを奴が居なくなった時に、隙を見計らって蘇生術で完治させ、ヴァギの能力で中立国のアスワン国の【自称通称なんちゃって国王】ファミーユ・イスト王の王宮に避難させた。メシア姫は、斬り倒されたあと、ひたすら自身が実の肉親に斬られて生きたくないとそのまま死ぬのを懇願したがな…俺が強引に活かした。安心しろ。ファミーユ王は俺は信用信頼に値する男だと信じ抜く。レリーフ王とメシア姫の御命を絶対に守護してくれる。奴らはガナン国との停戦を破棄し、ゆくゆくはこの聖地ゴンドワナを統一し独裁主義の【ゴンドワナ帝国】を建国するつもりだ。このままではまた戦争が始まるぞ。全くこの俺の一〇〇〇年不敗神話が、よもやあんなセト神のようなクソクズ野郎に覆されようとはな…凄まじい屈辱だ…それと、クリシュナ、お前は【死んだことにしておけ】とヴァギに情報分析能力で浄土一族の蛇助に伝えるように命令した。あのアバンの良い、これからの試練になる…心配するな…アバンの面倒は、俺がみてやる。アバンにも同じ情報を勿論伝える。ヴァギ!!今すぐに、この地に降り立った浄土一族の蛇助に全て情報を伝えろっ!!クリシュナ、お前はアバンが野望を果たすまでは、どこかに隠れておけ。ケキャキャキャキャキャキャキャ」
クリシュナは、ただただ驚くばかりで何も言えなかった。
3日後、ここはガナン国王宮のアバンの寝室。
丸3日の眠りから目が覚めたアバン。
アバンの目の前にはナップルとダリスコが居る。
アバンは自暴自棄になり、「うぇぇぇぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇっ!!あぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」と、奇声を発し、すぐ側に置いてあったエリシオンを自分の心臓に突き刺そうとする。
キィン!!
「何をなさる御つもりですかぁ♡」
ナップルが逆刃刀で阻止し、アバンの手から離れ宙を舞うエリシオンをダリスコがキャッチする。
アバンはベッドから起きダリスコに殴り掛かる。
「返せぇええぇぇぇええぇぇぇええぇぇぇええぇぇええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!がぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」
アバンはダリスコの頬を思い切り殴ったがダリスコは直立不動して居る。
「律してないな。こんなところで、いきなり御宅に死んで貰っちゃ俺さまたちが困るんだよっ!!皇太子殿下坊っちゃんっ!!男やったら手ぇ出したなら反撃は覚悟しろよ。じゃろうがね!!」
ダリスコがアバンを思い切り殴るとアバンは寝室の壁までぶっ飛び壁に激突して気を失った。
ナップルが「アバン皇太子殿下さまが気を失ったのは好都合です♡今、ここに居るのは私とダリスコさんだけぇ♡このままアバン皇太子殿下さまが気を失って居る間にバンドの準備をしましょう♡ぁ…いけない♡私たち、歌唱用の衣装に着替えなくちゃ♡私たちは王宮の大広間に移動しましょう♡他のメンバーが楽器を持って待機してます♡世話人さまに今のうちにアバン皇太子殿下さまに手錠をはめて頂いて、大広間まで世話人さまに連れて来て頂きましょう♡」とダリスコに言ってダリスコも頷き、共に寝室から出て行く。
30分が経過して、腕に手錠をはめられたアバンと世話人が王宮の大広間にやって来た。
そこでアバンが観た光景、歌唱用の衣装服に着替えた通力使いのバンドの面々、翠炎のついたタバコをくわえたギター担当のミクル、ベース担当のダリスコ、アルトサックス担当の林檎、ドラム担当のパイン、そしてヴォーカル担当のナップル。
アバンが来たのを確認すると早速、ナップルは自慢の歌声で発声練習を始める。
「ルラアァァァァァァァァァァァァァァァァ♡」
アバンは純粋にナップルの清らかに澄み切った歌声に心惹かれてゆく。
「我々、浄土一族のコンサートへようこそ♡アストラナバン・ガナン皇太子殿下さま♡バンドの皆さま、準備は良いですかぁ♡それでは私たちの歌を聴いてください♡【純・優・清・花{じゅん・ゆう・せい・か}】♡ワンッ!!♡トゥ!!♡スリィ!!♡ゴォー!!♡」
バンドの皆が楽器を演奏を始め、楽曲【純・優・清・花】のイントロが流れ始めた。
ナップルが歌い始める。
忘れられない シュヴェーアな思い出♡
それは貴方が純粋に生きてる証♡
秒針がどれだけ時を刻んでも♡
懐かしい温もり♡
御心の奥底に秘めたままでun…♡
誰よりも強く優しい貴方♡
まるで雲一つない空のよう♡
少しずつ癒していこうよ共に♡
Soplease ♡ この手を握って♡
私が居るから♡
私たちが居るから♡
決して一人ぼっちじゃないよ♡
真っ白いsnowのように 清らかな世界♡
駆け抜けていこうよ♡
希望の扉への階段は♡
もうすぐそこだよ♡
咲き誇る花のような貴方♡
愛くるしい笑顔早く魅せて♡
新しい色彩描いていこうよ♡
Soplease ♡ 輝かしい未来に向かって♡
私たちが居るから♡
ずっと側に居るから ♡
決して離れないから♡
そのまっすぐな瞳♡
どうか曇らないままで♡…LaLaLaLaLaLaLaLa…♡
楽曲を最初から最後まで聴いたアバンの瞳から1粒の涙が頬を伝う。
アバンは無意識のうちに「ァンコー…ルとアンコールをバンドの皆に求めた。
ミクルたちが演奏を再び始め、ナップルはもう一度精一杯、歌った。
聴いたアバンは1言。
「僕には…もぅ…誰も…居な…ジ…ィ…ク…ウドぉ…」
ナップルは思い切り叫ぶ。
「私たちがぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁっ!!♡居まぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁっすっ!!♡」
アバンは泣き崩れた。
「あぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁあっ!!」
演奏を終えたアバンの手錠の鍵を持っているミクルがタバコを手にしてアバンに歩み寄り手錠を鍵で外し差し出す。
「アストラナバン皇太子殿下、あっしのタバコいりますかい。でしょうがね!!」
そして左手の人差し指から翠炎を発する。
アバンは「へっ……翠の火でタバコかよ……」
と言い、アークローヤルスイーツを吸う。
「美味しかろうがねぇ…でしょうがねぇ…」
アバンはアークローヤルスイーツを吸う。
「ぁぁ…タバコがクソ美味ぇ。タバコがクソ美味ぇ………うぅぅぅうぅぅぅ……お前たち…こんなどうしょうもない…僕に連いて……来て……くれるのか…うぅぅぅうぅぅぅ……この聖地ゴンドワナを…ゴンドワナ統一を……僕と一緒に…うぅぅぅうぅぅぅ……成し遂げ……うぅぅぅうぅぅぅ……て……くれるのか……!?」。
何もしてない春千代が「イヤーンッ!!イヤーンッ!!勿論っ!!吾輩たちはアストラナバン皇太子殿下の大いなる野望を成し遂げる為、遠路はるばるこの聖地に御手伝いに来てやったのだっ!!アストラナバン皇太子殿下っ!!泣いてばかりで惨めったらしいっ!!男らしくないっ!!イヤーンッ!!イヤーンッ!!男らしくないっ!!イヤーンッ!!イヤーンッ!!」と言い、アバンは泣くのをやめた。
「何もしてない孔雀に言われたくはない。へへっ…よぉし、やってやるっ!!やってやるぞっ!!この聖地ゴンドワナを統一し、【神聖ゴンドワナ王国】の王に僕はなるっ!!」
拝啓世界人類御中
〜第一章〜月謝星命祭〜弐〜いかがだったでしょうか
誠に有難くもお読みになって頂いた皆さまの素直に思った感想やレビューなど
勿論批判や中傷なども受け付けます
どんなことでも構いません
私にお寄せ頂きたいです
御愛読して頂き誠に有難う御座います
応援宜しく御願い申し上げます
敬具
藤井雪彦{べこ丸}