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プロローグI

微かに揺れている。

地震が小さくても高いビルだと揺れやすいってニュースかなんかで言ってたなぁと考えてる俺は、現在説教を受けている。


「そんなんだから作るゲームもつまんないんだよ!ったく使えねぇなぁ、、」


「すみませんでした、、」


パワハラの代表みたいな上司の叱責にも、

いつものように平謝りをして帰る準備をする。

ブラック企業に就職して2年。


日本有数のゲーム制作の会社CAPCOWに入社しようとしたのは、ひとえにゲームが好きだったからだ。

大学生からゲームにハマり、・・・・・こんなゲームを作りたい!!と安易に考えてしまったのが運のツキ…


気づけば、外面は大企業だがブラックよりの闇の中だ。アハハ


でも明日は休みだ。

嬉しい。ムッチャ嬉しい。

今から久しぶりにアヤちゃんと皆んなに会える。

休日出勤を跳ね除けて、この日だけは・・と守り抜いたかいがあった。


スキップしながら居酒屋に向かう。

実際はしてないけどね。



☆☆☆☆☆



店に入ると


「おぉ遅かったなコウダイ!もう始めてるぞー」


「わりぃわりぃ遅くなった。てかレン、またゴツくなったな!」


そこにいたのは俺の唯一の友人にして、黒髪短髪、高身長、運動神経抜群、コミュニケーション能力?抜群の、日焼けしたボディビルダーみたいな見た目した男だ。


「ほら、コーちゃん!ここ隣座ってー」


そう声をかけたのは、肩程の長さの髪の毛を茶色に染め、華やかにメイクで飾る、ギャルっぽいが掛け値なしの美少女。

アヤの隣に座り、レンと向かい合うように座る。


「レンも久しぶり!アヤちゃんもホント会いたかったよ!」


「ちょっとお兄ちゃん。私もいるんだけど!」


レンの隣から、顎に手をあて、不貞腐れたように話しかけてきたのは妹のレイナだった。


俺が4月に生まれて、すぐ妊娠した母親のせいというかおかげというかでレイナは3月生まれの同級生の妹である。


「はぁ?お前は毎日同じ家で過ごしてるだろ?」


「はぁぁ!?お兄ちゃんは仕事してるか、アヤちゃんと会うか、ゲームしてるかで、まともに家で会ってないでしょ!?」


確かにそういわれたら久しぶりの気がする。

俺もレイナも職場が近いから実家暮らしの社会人だ。


「ほらほら兄弟喧嘩はあとあと!ビールがきたぜー。皆んなグラス持ってー。かんぱーい!!」


レンの音頭で乾杯をする。レイナはまだ、不服そうな顔をしてるが、、カンパーイ。


楽しい楽しい飲み会が始まった。



☆☆☆☆☆



居酒屋ですでに1時間、店内もワイワイしている中、互いの近況を話しで盛り上がっていると、レンが


「もうお前ら付き合ってどれぐらいになるんだっけ??」


「うーんとねー。コーちゃんと付き合って、もう3年くらいかな?」

「えぇもーそんな経つのー!?じゃあアヤちゃんが私のお義姉ちゃんになるのも近いですなぁー」ニヤニヤ


アヤと付き合ったのは大学4年の時、アヤとは小学校からの付き合いだが、小中高大と、お互い好き同士なのにも関わらず、告白することも、されることもなかった。

もし振られてこの4人の関係が無くなるのが怖かったんだ。


それでも告白したのは、レイナに「そろそろ告白しないとアヤちゃんに愛想尽かされるよー」と言われたのがきっかけなのは秘密だ。絶対に。



「そ、そうかもな!で、でももう少し先かな!…」

「そ、そうだよね!」


俺もアヤも、レイナに揶揄われて顔を真っ赤にしていた。てか、顔が真っ赤になってもアヤちゃんは可愛いなぁ…結婚して欲しい…


「ったく、このヘタレ兄ちゃんは」


と顎に手をあて、不貞腐れている。

なにこれデジャブ?などと考えていると


「アハハ、、こーだいは仕方ねぇな!…

そーいえばレイナちゃんは好きな人とかいるの??」


「「「………」」」


とレンが笑いながら本日1番のどデカい爆弾を落としてきました。



☆☆☆☆☆



楽しい空気が一気に氷点下に…

レンは気づいていないみたいだか…


「へ、へぇレンちゃん。マジでそんなこといっちゃうんだぁー…」


レイナは肘を、レンのとんでもなく発達した肩の僧帽筋にグリグリ置きながら言う。

おい青筋が出てるぞ、妹よ…


「あれ?話してたっけ??タイプの話は聞いたことあるけど!」


あっけらかんとレンは返すが、、違うんだよ…



☆☆☆☆☆



実は現在、というか小学校からレイナが明らかにレンに好意を抱いているのが分かっていた。俺らは家が近所で4人でいつも一緒にいたし、兄の俺はすぐ気がついた。


レンは明るいし、裏表のない性格でスポーツ万能、学校のイベントでも体育祭でも目立ちに目立っていた。1年生で6年生より足速かったし、6年の時は1人大学生が混じってると思ったくらいだ。


昔から「レンが好きなら告白したら?」と何度も言ったが


「おい!誰が言うてんねん、誰の妹やと思うてんねん!てか女子は男の子から言って欲しいものなの!!!」


と急な関西弁でブチギレられ、グゥの音も出なかった。血は争えない。



しかし3年前からレイナには、アヤちゃんと俺を付き合わせてくれた恩がある!

だから俺がキューピッドになってやろうと、自分の好きなタイプを遠回しに伝えてみたら?とアドバイスをしてみた。



俺とレイナとレンでご飯に誘い、レンに


「わ、私の、す、好きなタイプは明るくて、背が高くて、足も早くて、凄くムキムキな人かなぁ?」

「分かる!!いいよな!ドウェイジンソン!」

「ち、ちが、髪の毛も生えて…「アノルドシュワルネガーの方か!!!分かる!分かるなぁ!!」


そんな感じで何を言ってもムキムキのハリウッドスター好きにされる妹を見て不憫に思ったものです…

凄い涙目で頷いてアクション映画の筋肉の話を聞くレイナが、かわいそう過ぎる、、



☆☆☆☆☆

時は戻り、


「レイナちゃんのタイプは…たしか…ウィン・ティーゼルだったよね?」


レンはニコニコ話して、

レイナは硬直して、もう白目である。


てか、もうわざとだろ?どんだけワイ◯ピ好きなんだよ。

またハゲ好きにされたし。


大丈夫だレイナ、俺は見捨てないぞー。

俺とお前はファミリーだ。


「そういえばコーダイはまだあのゲームやってるの?」


主人公コーダイ

友人レン

恋人アヤ

妹レイナ

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