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ヒルダの怪しいブーツ
何とか書いてゆきます。
ヒルダおじさんは、しつこくも、ぼうやに迫るように問いかけてきます。どうやら、ひとのお店の前に用もないのに立ち尽くしていては、誰としても迷惑だと感じるのは当然のようだ。 ぼうやがそれでも黙っていると、痺れを切らしたかのようにおじさんが、コツコツと靴の先で地面を鳴らすのと同時に、げほげほ、とわざとらしい咳払いをし始めたのだ。 そこで、ステファンぼうやは、覚悟を決めるしかなさそうなのを知った。 「ぶ・・・ブーツが、ほ・・・欲しいの」 ぼうやが思い切って声を絞り出した。 と、ヒルダおじさんが、「あ?ブーツだ?」などと唇をぺの字に曲げたりなどするものだから、ステファンぼうやは、言ってはいけないことを自分は言ってしまったのだろうか?と後悔し、ぶるぶると身體を震わせるのだった。
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