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第6話 デートに事件はつきものだ

「ニワトリが! ニワトリが、襲ってきたんです!」




――ニワトリ? 空太は耳を疑った。ニワトリは比較的小さい生き物だ。そんな存在であるはずのニワトリが成人男性を倒すほどの力はないはずだ。


 空太は女性に問いかける。


「本当にニワトリが襲ってきたんですか?」


 女性は落ち着きを取り戻してきたのか、状況を説明してきた。


「ええ・・・・・・確かにニワトリだったわ、でもかなり大きくて凶暴だったわ。それに彼氏に何かを吐きつけて行ったの。そしたら彼氏が急に倒れて、今に至るわ」


「吐きつけて行った?」


「ええ。彼を見てみて、すぐに分かるわ」


 そう言われて、空太は倒れている男性のもとへ近寄る。よく見てみると、確かに紫色の液体が男性の身体に付着していた。空太はその液体を触ろうとして、手を伸ばそうとした時――


「空太、触らないほうがいい」


 焔に止められた。理由はすぐに告げられた。


「その液体は、毒だ。しかも猛毒だ」


「どうして毒って分かったの?」


「これを見ろ」


 そういうと、焔はいつの間にか手にしていた日本刀の先を液体に近づけた。日本刀の先が触れると、日本刀の先っちょが黒く変色した。うわ、触らなくてよかった。


「まだ近くにいるはずだ。探し出して、討伐するぞ」


 焔はいつの間にか持っていた日本刀を鞘に納めると、水族館の奥へと歩き出す。


「あっ、待ってよ焔!」


 空太は急いで焔の横に並ぶ。


「探すったって、どうやって探すの? 結構広いよ?」


「なに、デカい犬の次はデカいトリだ。トリは頭が悪い。向こうから居場所を教えてくれるさ」


「そんな簡単にいくわけない――」


 そう思ったその時。




 コケコッコー!!




 館内にニワトリの声が鳴り響いた。




「ほらな」


 焔は満足そうにしている。


「声は、クラゲのコーナーの方から聞こえた。いくぞ」


「分かった」


 焔に同意すると、空太は焔と共にクラゲコーナーの方へと向かうのであった。




 クラゲの展示スペースは全体的に暗い。その代わりに水槽の中から幻想的な光が投影されており、白いクラゲたちを引き立たせている。しかし、その幻想的な空間にふさわしくない存在がそこにはいた。




 ニワトリの顔をしているが、体が違う。ドラゴンのような翼と足。そして蛇のような尻尾を持っている。空太はその異様な存在に息を呑んだ。大きさは2~3メートルくらいに見える。


「なんだよ・・・・・・コイツは」


 そう思った空太だったが、ここで前回のジェヴォーダンの獣の襲撃を思い出した。スマホのカメラ機能を使えば、アンノウンが解析してくれるかもしれない。空太はスマホのメッセージアプリを起動し、アンノウンにメッセージを送る。




『アンノウン、頼みがある』


 返事はすぐに返ってきた。




『いかがなさいましたか? 空太様』




『目の前に異様な存在がいる、カメラで撮影するから解析を頼む』




『かしこまりました。対象を撮影してください。対象の解析が終わり次第音声案内に移行します』




『了解、頼んだぞ』


 メッセージアプリを閉じ、空太はカメラモードに切り替える。どうやらまだこちらに気づいていないらしい。撮影のチャンスだ。




――カシャ




 上手くいった。後はアンノウンが解析してくれるのを待つのみだ。


 解析はすぐに始まった。




『撮影データを確認・・・・・・ファイル照合中・・・・・・照合完了。データを共有致します。』


 空太はスマホに表示されたデータを確認する。そこに表示されていたのは――




『コカトリス』




 猛毒と魔眼を持つモンスターの名前だった・・・・・・



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