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終わりの始まり
蒼鳥沖
「こちら巡視船皆嶋、作戦本部応答を願う」
「こちら作戦本部、皆嶋の目的海域到達を確認した。当海域において北方海国の護衛艦とみられる船舶を発見。皆嶋はこの船舶に対し警告。ことあらば射撃を実施せよ」
海軍省
「おいおい、またかよ、これで3回目だぜ」
同僚たちが新聞で皆嶋撃沈の報を知って慌てている中、私は今、海軍省の一室でコーヒーを啜っている。だが、決して仕事を怠慢しているのではない。これも仕事の一環なのだ。
「諸君、そう慌てるんじゃない。いずれこちらに出撃の命が来るんだ。」
私は偉そうなことを言ってまたコーヒーを啜りだす。すると威勢のいい部下の一人が、
「長官!出撃はいつ頃になるでしょうか?」
「知らん。まぁ今月中には出るだろう。超ブラックな仕事が始まるぞ。海軍には月月火水木金金ってことばがあるくらいだからな。」とその場にいる部下五名に脅しをかけ内心その震えている部下たちを見ながらほくそ笑む私であった。