『勇者オリオン 視点』
『勇者オリオン 視点』
俺はダンジョンにいた。
ロメーロを追放して、最初の依頼だった。
賢者ボーデン、僧侶ハニー、タンクのクランク、聖女リアンの構成で、いつもはロメーロが後方支援でいるが、もう要らない。
追放して、気持ち良かったのは、みんな同じだ。
さっそくダンジョンでの依頼となる。
最初は役に立つ奴だったのは、CランクやBランクの時までだった。
BからAランク、そしてSランクになった今は、変わった。
俺が強くなり、もう後方支援とか要らないくらいに強くなりすぎた。
笑ってしまうレベルに強くなった。
自分でもあり得ない強さだ。
天才に生まれたんだな俺は。
天才すぎて他の冒険者が虫に見える時がある。
あはははは、さぁダンジョンは、Sランクではなく、Bランクダンジョンだ。
ダンジョンのランク付けは、ギルドで行われる。
それは冒険者パーティーが見てわかりやすくする意味があり、BランクパーティーならBランクダンジョンに対応できると思えばいい。
あまり自分よりも上のランクのダンジョンを選ぶと失敗のもとだ。
そのため、ダンジョンの依頼にはギルドも細心の注意をしている。
この程度、余裕で行ける。
ハニーも俺に笑顔で、ロメーロが居ないから、楽でいいと。
あはははは、確かに楽でいい。
いつも戦闘では邪魔だったからな!
ダンジョン内にいた魔物はスケルトンだった。
魔物の強さでいうと弱小の部類に入る魔物だ。
Dランク冒険者なら確実に倒せる魔物で、Cランク冒険者なら、スケルトンが10匹と戦えると俺は思っている。
そのスケルトンが15匹だった。
やや数は多いが、Sランクパーティーの俺達にしては、ザコと言えた。
ザコを倒しに来たのは、ロメーロなしでも全く問題ないのを確実すること。
確実が取れたら、難関のダンジョンに進む予定だし、すでに魔王討伐の話をギルドとしているのもある。
魔王クラスの魔物がまだ世界には存在しており、世界は勇者パーティーを求めているわけで、それは勇者の俺を望む声と同じだ。
タンクのクランクが魔物を発見して、いつものように最前線で防御する。
「盾は俺の出番だぜ!」
「クランク頼む」
クランクよ、頼むぜ。
俺はクランクに頼むとクランクは、いつもより余裕で最前線に行った。
俺と賢者のボーデンはタンクの後方からの攻撃で倒すのが、得意な戦術だ。
どのパーティーもタンク役には優秀な人材がいても、足りないのだ。
「ガイアの盾!」
クランクが使う防御スキルで、強力なスキルで、いつも仲間で良かったと思う。
「えええええええっ」
「うわあああああああああああ」
どうしたクランク!
いつもならガイアの盾で、敵の魔物からの攻撃は防御する、それにBランクのダンジョンなら余裕あるだろ?
「うわわわわわわわわあああああ!」
クランクの悲鳴だった。
なぜかBランク程度の魔物の攻撃であんだけの攻撃を受けてしまった!
ボーデンはクランクを助けると前に。
変だな、クランクは調子悪いのだな。
誰にも好調、不調はあるが、今が不調とは。
クランクは偶然にも今は魔物と相性が悪かったんだな。
まぁボーデンが助けるから心配はないが。
「フリージアサン!」
まばゆい光の魔法だ。
Bランクダンジョンの魔物には絶大だ。
賢者の魔法は攻撃にも優れており、勇者の俺にも匹敵する攻撃魔法もある。
フリージアサンは攻撃魔法であり、上級魔法に属する魔法だ。
上級魔法を支えるのは限られた者しか使えない。
魔力が足りてること、素質があることが重要だ。
まともに受けた者は立っていられない魔法だ。
スケルトンの15匹くらいなら、賢者だけで全員を圧勝させると思った。
いつもとおり戦えば俺の攻撃は、今回は控えだな。
「いでええええええ!」
ええええっ、ボーデンが魔物の攻撃で致命傷!
まさかだよな!
クランクに続いて賢者のボーデンまでも苦戦するとは!
どうしたんだよ!
二人らしくない戦いだぞ。
賢者のボーデンは攻撃センスは抜群であり、俺も及ばない戦いの知識もある。
魔物との戦いにおいても、常にボーデンの戦略を聞き、実行してきた。
そのボーデンは魔法に時間がかかり、しかも発動が出来ずに戸惑ったところをスケルトンの剣に刺された。
今回のダンジョンもボーデンの意向だったのは、ロメーロが、いないくても大丈夫なのを確認することで、Bランクなら余裕だろうと決まった。
そこで僧侶ハニーが来て、
「回復魔法を使うよ」
と言った。
ハニーは僧侶で、回復魔法や治癒関係の魔法とスキルに精通している。
僧侶の職種で彼女は世界最高レベルにあると俺が認める。
破滅の団にはハニーという防御面で優れた仲間がいるのは有利だ。
安心していい、ハニーがクランクとボーデンの所に向かうのを俺も援護する。
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