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『42話 古城5』

『42話 古城5』



 冒険者と騎士団の多くはまだ混乱している中、アスティが声を上げて、


「皆さん、ロメーロが自身のスキルで瞬間移動した結果、古城の手前にまで来ている。直ぐそこに魔物がいて、騒いでいるのだ。街にも侵入して大変になっているだろうから、先ずは街を救出したい、古城はその後に攻め落とす!」


「おおおお!」


「先ずは、街の人を助けてやるんだ!」


「おおおおお!」


 アスティの掛け声で、冒険者パーティーや騎士団は手を上げて賛同の意思を示す。


 古城は思ったよりも巨大で壮大な建築だった。

 見かけの壁の古さから歴史のある古い城なのが伝わる。


 城のふもとに広がるのが街であり、かなりの人口を有しているだろうな。


 街の手前まで移動し、突入するにあたり、アスティが指揮をとっていて、彼は王都のギルドでも最強に近い強さのAランクパーティー、雷光の団長であるのもあり、誰もが彼の司令に従っていたのは驚いた。


 えばっているだけかと思いきや、統率力はかなりのものと俺からみても伺えるし、王国騎士団もアスティを信頼していた。


 俺とアスカもその後方にいて、街に突入する直前だった。

 いっせいに街に突入した。


 魔物が街の中を徘徊しているのが見え、街の人を殴ったりしている光景もあった。


 すでに魔物に制圧されていて、完全に街は魔物のすみかだったのはショックで、間に合うかと思ったら、手遅れであった。


 人々は魔物の奴隷みたいに扱われ、大量の犠牲者が出ていた。


「ロメーロ様。酷い状況です。もう魔物が街を占領しているっぽい」


「そうだな。酷い、とにかく魔物を街から消すしかない」


「ロメーロ様の力が必要です。私も戦います。エルフ皇女ですが、魔法は国家最高魔術士の魔法を習っていましたので」


「そうか、それなら心強いな」


 アスカはエルフであり、エルフは元々魔力が人族よりも強いとされて、高度な魔法も使いこなす能力を持つ。


 人族では使えない魔法も使えたり、また新たな魔法を作り出すのも得意だから、アスカが魔法が使えるのは、何も驚くことではなかった。


「魔物を恐れるなあああああ、攻めろおおおおお!」


「おおおお!」


「魔物はスライムサンダーだ!」


「スライムを倒せ!!!!」


 魔物はスライムサンダーが大量に徘徊していた。

 スライムサンダーの強さはDランクくらいだろう。

 器用富豪の神眼鑑定で鑑定したので、それ程強い魔物ではないと思い、冒険者と王国騎士団に任せる。


「スライムサンダーが多いですロメーロ様」


「Dランクくらいなので、先ずは騎士団達に任せておく。俺は力を貸すがあくまで補助でいい」


「補助ですか?」


「アスティが前線にいるだろ、俺とアスティは現在のところ仲が良くない。そんな俺とアスティが近くにいるのは、あまり良くないのだ。俺がもし器用富豪スキルを使いまくり、存在が大きくなりすぎると、アスティと対立するからだ」


「なるほど、ここはアスティに任せるということですね、ロメーロ様」

「面白かった!」


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