『38話 古城』
『38話 古城』
「王国騎士団ですね、私は受付嬢ですが、どうなさったの?」
「た、た、た、大変です受付嬢、ここから南に古城があるのはご存知でしょう。あの古城を強力な魔物が来て城を乗っ取ったのです!」
どうやら魔物らしい。
どんな魔物かはわからないが、この慌てようは普通ではないのは、騎士団がここまで慌てるとなると、かなりの強さなのが予想できるからだ。
「ええっ、魔物が、大変!」
「魔物かよ、俺はアスティだ。それで騎士団さん、どんな魔物なんだよ教えてくれ?」
「ああ、あんたはアスティさんかい、魔物は大量発生してまして、城と街を制圧しました。スライムサンダー、スキュラ、ヒュドラを確認しました。他にもいるとのこと。それに城にはそれらの魔物を従える魔物がいたと報告があった。街の人は多大な犠牲者が生まれています!」
「ヒュドラはギルド登録ではAランク魔物としてます。非常に危険性が高い。非常事態です!」
受付嬢はヒュドラが直ぐにAランクと教えてくれたのは、全ての魔物のランクが頭に入っていて、ギルド内に緊張が走った。
「スキュラか。何でスキュラが突然に城を占拠するんだ。聞いたことねえし、ただ犠牲者が出ているのなら、俺たち雷光の団が行くしかないよな、みんないいか!」
「おおおおお!」
「アスティ団長、行こうぜ!」
アスティの掛け声でパーティーメンバーの士気が上がったようで、雷光の団は行くようだ。
「王都ギルドに所属する冒険者、並びに冒険者パーティーにお願いします、古城にAランク魔物が出現しました。これは国家の存亡に関わる重大な任務になる。全員参加お願いです!」
「受付嬢、話は受けたぜ、行くぞおおおおお!」
「やるぞおおおお!」
受付嬢からの掛け声であったが、ギルド内にいた冒険者はほとんど手を上げて参加の意思を示す。
雷光の団以外にも、複数のパーティーが参戦しそうで、人数的には100人は超える。
登録している冒険者はもっと多いだろうが、現在いる人数は100人くらいか。
予定していない緊急の戦いになるので、人数を集める余裕もないのだろう。
このメンバーで戦うしかない。
「ロメーロ様、どうしますか?」
「俺も行った方が良さそうだ。相手がかなりの危険種だからな」
「さすがロメーロ様。グールの時みたいにやってください。私もお供します!」
「アスカは残っていいぞ。危険だしケガする」
「いいえ行きます、ロメーロ様と離れるのは嫌です」
「わかった。一緒に行くとしよう」
「はい!」
アスカは置いて行くつもりだったが、俺と行くのを望んでいて、しかし危険があるから、しっかりとアスカも安全にしなてくてはならないな。
「ありがとうございますロメーロ。行ってくれるのですね。ギルドはロメーロが戦うなら心強いです」
「行きますよ、今は一人でも多い方がいいだろう」
ギルドからもお願いされて俺は相手のスキュラなどをどうするかを考えていた。
「面白かった!」
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