『34話 ギルドに6』
『34話 ギルドに6』
グールマスターとオークらだけで、このカイザール国を滅ぼすのに十分な戦力だったわけで、俺はそれを一人で倒したのだから、受付嬢は混乱する。
「もしロメーロ様がダンジョンに来てなかったなら、今もグールマスターはいたし、大変だったでしょう」
「俺は偶然にダンジョンに行ったからな。イカットという冒険者だったらしいが、俺が来る前にオークに殺られていた。残念だったが」
「イカット! あのイカットが死んだのですか!」
「知っているのか」
「はい、イカットはAランク冒険者で王都では有名でした。ただダンジョンがあると知り調査に行ったきり、戻らずに行方不明でした。まさかイカットが死んだとは。あのイカットが死ぬダンジョンをロメーロは一人で戻って来たわけですよね」
「そうなる。行ったのが俺で良かった。もし俺より先に行ったなら全員イカットのようになっていた。そして俺が不安に思うのは、グールマスターレベルの魔物、魔族がまだいるのかだ。突然に起きたことならもう心配要らないわけだし、違っていて、魔王の影響なのか、強力な魔物が現れてくるなら、注意がいる」
「ロメーロの言うのが本当なら、恐怖です。それでお願いがあります、ロメーロ程の実力のある冒険者にギルドの依頼を受けて欲しいのです。どこのギルドも実力のある冒険者にいて欲しいもの。ましてイカットがいないので、戦力は落ちています。どうかロメーロには王都で暮らして欲しいのです。よろしくお願いします。そうしたら我が国の戦力アップは大幅にアップします」
「待て、待て! あなたロメーロ様に王都に暮らせ…………………」
「もういいアスカ」
「ぐああああああああああああ」
アスカがまた邪魔しそうなので、口を開けなくさせておく。
「いいだろう。俺は行くあてはない。なぜならエピック国から来たのでな」
「エピック国から、どうして我が国に?」
「エピック国には勇者オリオンのパーティーがいて、俺はそのメンバーだった。ただオリオンから破滅の団を追放されたのだ。だから特別に行くあてはない。もし俺が必要なら今は居てもいい。まだ何があるかわからない状態だからだ」
グールマスターが突然変異で居たなら問題は小さいし、まだ居るなら危険度は相当に高くなり、この国は直ぐに犠牲となり、亡国となる。
グールマスターとオークキング、オークジェネラルの軍団はそれだけの戦力たり得るので、俺が注意しておくのがいいか。
なんでこうなったのか?
オリオンのパーティーを追放されて、エピック国も追放と、俺は自由に暮らそうとしていた矢先にグールとかひどいな。
自由も何もない、勇者パーティーの時よりも忙しいくらいだ。
「ええええええええっ、あの破滅の団にいたの!」
「そうだが」
「勇者オリオンのパーティーですよね。エピック国に破滅の団ありと言われるくらいエピック国最強にして、世界最強とも呼ばれるパーティーですよ。あの破滅の団にいたなら、グールマスターとオークジェネラルを討伐したのも納得します!」
「まぁ俺はあれを追放されたのだがな」
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