『14話 謎のダンジョン8』
『14話 謎のダンジョン8』
「アスカ皇女、心配ない。俺が『器用富豪』スキルで魔法を解除する」
「器用富豪? はぁ、お願いします」
「スキル、全属性魔法解除」
闇魔法軽減『器用貧乏』
↓
全属性魔法解除『器用富豪』
アスカ皇女に対してかけてある魔法に対し手魔法解除をする。
全属性対応なので、あらゆる魔法を解除可能だ。
グールマスターが余計なことをしてくれたので、余計な仕事が増えたわけだ。
「えっ、何か変化あったかな、わからないけど」
「大丈夫だ。もう解除してある。アスカ皇女は意識していないレベルの魔法だったのだ。無意識なレベルにかけてある魔法だから、解除も実行もアスカ皇女は心配ない。解除したから、グールになることはない」
「ありがとうございます、ロメーロ。魔法がかけられて、生きている感覚がなかったの。良かったわ」
「全てはグールマスターが悪いが、もう死んでいる。ダンジョンから出よう」
「出たい。もう最悪よ、グールと一緒にいるのは」
アスカ皇女は吐き気がしたのか、気持ちわるそうにしてグールに向かって言った。
グールマスターはダンジョンにうつ伏せのままだった。
だが急に手が動いていて、死んだと思ったら、生きていた。
なんだ、こいつはまだ生きていたのか、しつこい骸骨だな。
「ロメーロ、まだ生きているよ!」
「ああ、しぶといな、死んだのに生きているとは。まあアンデッドに死んだのが生きていると言うのは変だが」
するとグールマスターは立ち上がり、
「ふふふふ、ロメーロよ、私を甘くみたな。生き返るとは思わなかっただろ、それがお前の甘さだ。ふふふふ、アスカと同じように私にも魔法をかけてあるのだ。死んだら、一度だけ生き返るという魔法だ。凄いだろ、天才だろ私は!」
蘇ったグールマスターの体や顔は切りあとはあったのは、俺
の剣によるものだ。
あんのグールが一度だけ生きかえられる魔法使いとか、もう冗談のレベルだろうが、グールマスターは真剣だったから、余計に俺は笑いそうだ。
なぜかというと、そのまま死んでいた方が良かったからで、生き返るのは最大の失策だろう。
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