『12話 謎のダンジョン6』
『12話 謎のダンジョン6』
「ほほほ、良くぞわかったな。私が倒すのは魔力を使うのだ。それは嫌だ、魔力を使って勇者を倒しても、老いてしまうだろ。それじゃ意味ないのだよ。魔力を浪費せずに勇者、賢者もいるらしいからな。そいつらを食す予定だった」
「残念だな。勇者も賢者も来る間に俺が来て。ただエルフ国のアスカ皇女はどこだ?」
アスカ皇女の名前は俺は知らなかったが、エルフ国が大国なのは知っているし、当然に動く。
エルフ国の皇女に手を出すとは、最悪なアンデッドだな。
こういう考えを持つアンデッドは、早く始末するに限るし、俺より先に来た冒険者らもいたのだろう。
そこは可愛そうなことをした、俺が先に来てたら犠牲にならなかったのだ。
エルフ国は人族の国にと国境を重なっていて、貿易もしていると聞く。
交戦はなく、友好な関係なはずだ。
よく皇女を連れ出せたなと思うも、本人をまだ見てないので、嘘かもしれない。
こいつを信じるのは危険だし、アンデッドを信じる俺じゃない。
直接見るまでは、嘘と思うのが正解である。
「見たいか、どうせ私に食されるのに、いちいち注文が多い奴だ。見せてやろう、さあ見るがいいアスカ皇女を!」
グールがアスカ皇女の名前を呼んだ。
どこから来るかと思っていたら、別のグールが2匹現れた。
2匹のグールがアスカ皇女を連れて来たのだった。
アスカ皇女は拘束されているし、口はふさがれていて、話すのは無理だ。
見たところエルフ族なのは間違いないな。
嘘ではなかったらしい。
縄で体を詰めつけられていて、胸がやけに持ち上げられているのはグールマスターの趣味か。
髪は金髪で耳が長いのはエルフの特徴だ。
苦しそうにしていて、グールを嫌がっているのは、エルフ族は高貴な種族と言われているし、アンデッド種を嫌いなのが顔を見たら伺える。
グールの手下はヨダレを流してアスカ皇女を見ていて、離れた俺も不快である。
「アスカ皇女から手を離せ。不潔だろ。グールが触るのは不潔だ」
「何を言う、我らアンデッドのグールはオーク種族よりも清潔だぞ。奴らは人族の女の子を裸にしたりして樂しむからな。グールはそんなはしたない行為はいない。聖女が来ると言ったらヨダレを流していたからだ」
「お前も流しているぞ」
「いかん、お前を食すと考えたら、ヨダレが少し出ただけだ。老けたくないものだ」
「グールもオークも俺から見たら同じだ。どちらも不潔である。自分で清潔だと思うなら脳みそが腐っているのだ。それよりもアスカ皇女は俺が助ける。いいな?」
こんなバカなグールを相手している暇はないのは、息をしていても臭いし、息苦しいからで、アスカ皇女も同じだろう。
自分を清潔だと思うグールの脳みそは腐っているだろうな。
「私を倒すと言うのか冒険者よ。いくらお前が強くてもだ、先にオークキング、ジェネラル、ダークらと戦闘して死闘したのだ。もう戦える状態ではないのは必死だ。今のお前に勝ち目はないくくく」
「勝ち目はない?」
「本当は魔力を使うのは嫌だが、老けたくないからな、だが殺すしかないな。グールマスターの実力を知るがいい。オークキングをも従える魔力をな。シャドウストーカーをくらえ!」
「やっと攻撃してきたか。それでシャドウストーカーか」
グールマスターからの攻撃。
魔法であるが闇属性だろうと思うのは、グールがアンデッドだからだ。
シャドウストーカーを見る前に俺もスキルを使用する。
「スキル、攻撃力1000倍上昇」
「スキル、防御力1000倍上昇」
「スキル、魔法防御力1000倍上昇」
「スキル、状態異常魔法無効」
「スキル、速度1000倍上昇」
「スキル、即死魔法無効」
まぁ最初はこれだけしておげはいいとして、いきなりグールマスターの魔法で即死はなくしておく。
闇属性魔法には即死魔法があるので、これは防いでおく。
シャドウストーカー魔法は直ぐに姿を現したのは、単に俺に攻撃してくる魔法ではなく、複数の影が現れた。
影は人の姿にも見えるが、そいつ影が攻撃してきて、どうやらグールが直接攻撃してくるのでなく影に攻撃させるようだ。
影は剣を持っていて、何体いるか、数えると5匹はいる。
5体が同時に迫ってきて剣で切りつけてくる。
「シャドウクロウ!」
「シャドウクロウ!」
影であるが神眼鑑定をしてみると、おっとこいつは危険な影だった。
闇属性魔法から発生したのだが、一匹の戦闘力はAランク冒険者並みだった。
それが5匹いるわけだ、普通にAランクパーティーなら壊滅するな。
「ひゃはああああああ!」
「ひゃはははははは!」
「ひゃははははははは!」
「影がしゃべるのか?」
シャドウクロウとかいう剣で攻撃してきたので、
「ぎゃああああああああ!」
バシっ!
バシっ!
バシっ!
Aランク冒険者レベルの影を3匹だけ切った。
攻撃力が1000倍だからな。
俺を舐めたろ。
「バカな! 私のシャドウストーカーを簡単に切った!」
「驚いたかグールマスターよ。軽く切っただけだ。次は残りの2匹だ」
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