『未来が明ける夜明けに』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『未来が明ける夜明けに』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
⑴
暗闇のなかで、夜明けはもう始まっていたのである。
遠い昔の、記憶と想像への追憶。
近い昔の、記憶と想像への追憶。
汚い昔の、記憶と想像への追憶。
苦い昔の、記憶と想像への追憶。
或の場所での、バス停での、君の笑顔と遊泳する沈黙。
誰のせいでもない、自分の力量が、足りなかっただけだ、と、嘆く力量のせいにする。
㈡
暗闇のなかで、未来が明ける夜明けはあったのである。
理想郷。
離人狂。
マクベスの血の匂い。
また、悔恨と痛恨の邂逅。
或の場所での、バス停での、君の笑顔と遊泳する沈黙。
幻想の様な、映画の様な、事実ではない、虚構の世界で、夜明けを待っては、夜に沈む。
㈢
暗闇のなかで、光と影は、矛盾する、夜の様な昼、未来が明ける夜明けに。