おとなのおねえさん?
こちらの世界に来てから泊まり続けていた教会の部屋。その窓の下に見えたのは、黒いタイトなワンピースにニーハイブーツを履いた女で、どこか見覚えのある顔だった。
「私はゴッホ。オランダ人だ。」
「ま、いい男。こんな昼間からナンパ?盛んだねェ。」
自分から声をかけると言っておいて、これだ。「ようこそ。ここは○○の村だ。」しか言えない村人じゃないんだから。
「そうではない、断じて。あ、そんな顔をゆがめないで......勝負を、申し込みたいなと思って話しかけた。」
「勝負?アタシと?」
「あぁ。本当はこんなレディにお願いすべきだと分かってはいるのだが、その......」
申し訳なさそうにチラチラとこっちを見てくる。彼も男なのだ、スタイルの良い女には弱い。すると女は、心底楽しそうに、その色気をぶち壊すくらい、悪い顔で笑うのだった。
「フフフ......この町でアタシに勝負を挑んでくる奴がいるとはねェ。」
「あと服のサイズ、合ってないんじゃないか?丈が短すぎて、かがむと下着が見えそうだ。そんな格好で町を歩くべきでは,,,,,,」
「じゃあ、この格好なら満足かァ?」
どこに隠していたのか、黒と白の布らしきものを取り出して頭にかぶる。それは、教会のシスターがかぶっているものだった。
「あ、あんた、教会の!」
「ん!?お前ら、うちに泊まり続けてるカップルだなァ!」
取り出したのは、二丁拳銃だ。私でも分かる。この女は、関わってはいけない。
「こうやって勝負しかけてくるってことは、たいそう強いんだよなァ?金持ってんだよなァ?お前らみたいなクズカップルのラブホじゃねーんだ、よッッッ!」
こちらが絵を発動する暇もなく、拳銃をひたすら発砲してくる。
「に、逃げるわよ!」
「なぁ、ラブホってなんだ?」
「......質問は後にして!!」