ひふきやろう
「ただいま......って、あんた何やってんの!?」
大人になった短パンこぞう(別名:ゴーギャン)とのデートを終えて部屋へ戻ると、そこには......アルコールランプの液体を飲み干すゴッホさんの姿が!
「え?あぁ、ワインがなくなったから、つい。」
「そのまま火でも吹くの?何なの?死ぬの?」
ポケ○ンでも、こんなキャラいたな。ひふきやろう、だ。思い出した。ひふきやろうのマサノリ。
「今日からあんたのこと、マサノリって呼ぶわ。」
「酔ってるのかな。君が何を言ってるのか、全く分からないよ。」
思いっきりシラフのトーンで返された。こう見えて、昨晩は結構心配したのだ。彼なりに敗戦は、肉体的にも精神的にもショックだったらしい。朝になって元気そうだったから出かけたのだが、まさか酒を煽っていたとは。
「ったく。本当はビーチに行って、おとなのおねえさんから金を巻き上げようと思ったんだけど。飲酒して海水浴は、さすがに危ないわね。」
「なんだか物騒な言葉が聞こえてきたけど、気のせいかい?」
昨日のゴーギャン戦でコテンパンにやられて、ジムリーダーからの四天王に挑戦するのはやめた。あの男に勝てる気しないし。レベル上げとか仲間集めとか面倒だし。努力とか根性とか、最もかけ離れた世界で生きてきたからね。
私、決めたんだ。地道にジェントルマンとおとなのおねえさんを狩り続けようって。カツアゲ女王という言葉が頭をかすめたが、気にしないでおこう。
「仕方ないわ。生きてくためだもの。さ、外に出ましょ。今日のターゲットはおとなのおねえさんよ。」
「分かった。お、ちょうど窓の下に露出度が高めの女性がいるな。」
「おぼっちゃまとジェントルマンの時はしぶってたくせに、今日はやけにノリいいわね。」