晴れ のち 槍
初めて書いた小説とも呼べない下手な文の集合体ですがよければ最後まで読んで、ご感想をお待ちしております。
6月という幕が閉じ、7月という追加公演が始まった。
首を絞められたように叫び続ける虫、汗を垂らしながら走る女子高生。これを夏だ。風流だ。なんという同類が存在することが気持ち悪い。
電車を待つ鷹見は、目の前にある現実を否定、いや差別している。彼にとっては駅で電車を待つ時間は無駄であり、必要なものである。しかし、そんなことを声に出して言えば矛盾だの、意味が分からないだの、気持ち悪いだのと同類は言うだろう。けどそれはある意味当たりなのだ。 同類だなんて思わないのだから。
鷹見はあと1分近くで来る電車を待ちながら何気なく隣を見た。「嘘っ、それまじ!?」、「ちょっ、お前前から思ってたけどまじで声でけぇから。」
半袖を少し黄ばませた野球部らしい中学生が2人仲良く並んで噂話をしていた。「あの上野が付き合ったの!?」、「らしいよ。」どうでもよかった。鷹見は静かに今止まった電車に大股で乗った。
電車に乗り込んだ鷹見はあさの通勤時間から少しずらしたからかまばらに空いた座席には座らず、カバンからBluetoothのイヤホンを取り出し現実の音を遮断するかのようにキツめに耳に付けた。いつも朝は音楽を聴きながら学校に行く。特に聴く意味はないが。曲も決まっている。特に理由はないが。そしてその曲の名前を知らない。知る必要が無いから。
電車に揺られる彼はふと思った。どうして自分はこんなにも皮肉な人間になったのだろうかと。彼は自覚はしていた。自分は狂人と。けどそんな自分が嫌いではなかった。周りに迷惑はかけていない、
きちんと自分のことは自分でするという意味合いでいいのなら、自立も出来ている。そんな自分が少し皮肉ったらしくても良いと思ってきた。なんなら小さな頃は純粋で周りの大人に甘やかされていた。おかしくなり始めたのは中学生になったあの、と考えている間に降りる駅に着いた。流れるように自分は降りた。あの中学生2人は優先座席で仲良く話していた。
鷹見はいつも高校までの基本的なルート、いわゆる正規ルートとは違う少し遠回りなルートから登校ともに下校していた。少し遠回りする理由は特にこれといってなかった。けど分かっていた。これの中身(意味)
が。しかし、そんなことはどうでもよかった。今はそれどころではない。緊急事態が起こったのだ。なんとも可愛い真っ白な猫が鷹見の足元をすりすりしてきたのだ。鷹見は同類、いや同種は嫌いだが、動物は好きだった。今も。メレンゲのように白い猫は全く汚れて居ないことから飼い猫が逃げたのだと判断した。優しく背中を撫でるとその猫は目を閉じ、気持ちよさそうにさらに擦り寄ってきた。今自分は傍から見れば優しい動物好きなごく普通の男子高校生なのだろうかと鷹見は少し頭の端で考えていた。すると猫は機嫌をよくしたのか真っ直ぐ走っていった。 道路に。
誰が予想しただろうか。真っ直ぐ走り抜けた猫と下の見えない大型トラックが同時に道路で鉢合わせるとは。いや、鉢合わせるというよりかは、一方的に猫が無機質な黒いゴムタイヤにすり潰されただけだった。
トラックの運転手は一つの小さな命を自らの商売道具で奪ったとは気付かずにそのままのスピードで走り去った。鷹見は静かに立ち尽くしたまま思った。今自分が見ていたのは社会のようだと。強者は弱者をもはや弱者としてすら見ていないと。もう見えてすら居ないこと示していた。鷹見は最後に手を合わせてしっかりとあの子猫を見た。忘れてはいけないと。トラウマにしてはあの子に申し訳ないと。そして赤黒い血肉を見て鷹見は思った。
「あれ、あの子猫は何色だったっけ?」
続く
どうでしたか?
「まだ続ける気かよ!」「面白くねぇよ!」
となってしまったでしょうか。
しかし、そうなってしまっても諦めず日々精神していこうと思いますので是非とも次のお話も読んで頂けたら幸いです!
ありがとうございました!