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二、湖とその風景にのまれて

森の奥地。


そこには、美しい湖があった。


深い魅力を秘めた水の色。周りの花々。木々たち。


どれをとっても、素晴らしいの一言に尽きるほど、その風景は美しかった。


風景だけをそのまま切り取って持ち帰ることが出来たら、と、何度も考えた。


ここに来るまでの道のりの険しさ、今までの苦悩や苦痛なんて、この風景を見るだけでどこかに飛んでいってしまう。


そのくらい、この風景が好きだった。恋をしていた、といっても過言ではない。


自分だけのものにしたかった。


他人に見せることが嫌だった。


風景ごと盗んでいきたい。


いや、周りの空気も、全部、湖の水の最後の一滴まで、すべてをわがものにしたかった。


この風景に取りつかれていたのかもしれない。


もしかしたらある一線を越えていたのかもしれない。


それでも、構わなかった。


この風景と同化したい。


死んでからの骨をここに埋めたい。


神様、どうか、どうか、お願いします。





願いが通じたのかは、わからない。


そのあと、湖にとびこんだ。


いや、木で首を吊ったのか?

それとも、毒のある花の根っこを食べた?


よく、覚えていない。それはそうか、生きていた時の記憶だもんな。


今はこの風景と一緒に、たまに訪れる自然のお客様を歓迎している。


もちろん、人間も。


同じような末路をたどったものも何人か見た。


もうすでに、先客もいたようだし。


この風景に、取りつかせる魅力、いや、魔力があることは間違いないらしいな。


だからと言って、後悔はしていないのだけれど。



これはボーっとしてた時に浮かんだ風景をもとにしています。童話の中に出てきそうな風景をイメージしました。美しいものに秘められた不思議な力のようなものを描写したつもりです。

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