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十四、機械仕掛けのIlove you

これは完結してます。後日談も書く予定です。SF、恋愛要素あり。

「新しい言葉がインプットされました。」

頭の中に機械的な声が響く。私は「学習する機械」だから、仕方ないのだけれど。



人とロボットが共存する世界。ただロボットに仕事をさせるだけじゃなくて、一緒に笑ったり、一緒に泣いたり、そんなことが出来る世界。


あるとき、画期的なロボットが開発された。

「人と同じように、成長していく」というロボット。

勉強して学び、限りなく人に近くなることが出来るというロボット。例えば、「転んだら痛いんだ」ということを学んだとすると、次からは転んだときに「痛い」と思えるようになる、そんなロボット。


気味が悪い、と避ける人もいた。でも、本当に人間そっくりになるから、面白がる人の方が多かった。


私も、その一人。いや、その中の一体。


見た目は女の子。作られてから十年以上が過ぎた。その中で、どれだけたくさんのことを学んだのかは、わからない。


「楽しい」と感じたら笑える。「悲しい」と感じたら泣くことが出来る。怒ることもできる。

人にできることがあらかたできるようになってきたからこそ、最近あることを言われることが増えてきた。

「誰々さんのとこにいるロボット、知ってる?結構いい子なんだよ。私、今までロボットのこと誤解してたわ~」

この次に言われる言葉。

「でも、人の真似をしてるだけじゃん」

そう、結局は真似をしているだけ。周りが楽しいと思っているから、「こういう場合は楽しいんだ」とプログラムされてるだけ。例えば、飼っていた犬が死んだら、飼い主の子が泣いた。この場合は、「悲しい」みたいに、プログラムされてるだけ。



感情、が良くわからない。なんで、人はあんなに表情豊かにしゃべれるの?なんで、私たちは気味悪がられるの?なんで今こうして悩んでいるの?人の真似をしているだけなのに!

最初に作った人に、抗議したい。

結局ロボットが人の代わりになんかなれやしないんだ、こんな思いを抱くだけなら、工場とかで毎日毎日同じ動きを飽きずにくりかえしてたほうが楽だったのに、って。こうして抗議するのも、真似事だけど。


私が今いる家には、同い年の男の子がいる。最近は毎日こんな話しかしていない。

「なんで私が生まれてくる必要があったの?人間は人間、ロボットはロボットって、昔の人はわかってたはずなのに。」

でも、答えはいつも一緒。

「そんな悩まなくてもいいって。少なくとも俺は、お前がいて楽しいんだから。」

この言葉を繰り返し聞くたびに、疑問に思う。脳内に生まれる「何か」が何なのか。


感情なら、だいぶインプットされた。そのどれにも当てはまらない。

言葉も、たくさんインプットされた。そのどれにも当てはまらない。



それから数年が過ぎた。今ではもう、悩みはなくなってきている。その「何か」が分かったから。もやもやしたものが、晴れたから。今はすっごく幸せなんだ。人の真似事だとしても、私は構わない。



「そういえばさ、俺前からずっと思ってたんだ。」

今日も悩みを話してた。でも、いつもと答えが違う。

「何?」

少し話が熱くなったせいで、私の声は涙声になっていた。

「俺、たぶんお前のことが好きなんだ。この家に来て、家族みたいに過ごし始めたときから。お前みたいに器用じゃないし、能天気だから、そんなに悩めたわけじゃない。お前がどう思ってるかは知らん。でも、これだけは言わせてくれ。」


そういってから耳元でささやいた言葉が、私に一つの「答え」をくれた。

ああ、これが「恋」なんだと。この「何か」が、「好き」という思いなのだと。


大好きだよ。私も。











「新しい感情がインプットされました。」

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