11/20
十一、屍の山
澱んだ空気が立ち込める。
雲は暗い色をしていて、太陽も顔を隠している。
夜になれば、汚く妖しい紅い月。
一人の勇者が、うなだれる。
どうしてこうなったのかと。
自分は間違っていたのかと。
血を流し、泣き叫ぶ。
なぜ、こんな結果になったのかと。
俺はどうすればいいのだと。
問いかけても、返事はない。
返事をする者がいないから。
自らの手で築き上げた屍の山の頂上で、
一人の勇者が運命を憎む。
自分を、神を、人間を、世界を、
自分の意識できるすべてのものを、
ただ「憎む」。
久しぶりに夢から書きました。




